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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

フェーズ E フェーズ E

 先週は大阪を離れていたため雑感の更新も休んでしまった。最近のテロ騒ぎがあるために飛行機には乗りたくないのだが、短時間で遠方に移動するためにはやはり飛行機に頼らざるを得ない。

 空港警戒態勢は、最も厳しい「フェーズE(非常事態)」に切り替えられているので「きっとチェックが厳しいんだろうな〜」と思っていたのだが、極端に大きな違いを感じる事がなかった。荷物を預ける時に”X線検査”が追加されていたのと、ゲートを通過する時にチケット(搭乗券)を係員に渡し、名前を聞かれるくらいのものである。

 その他は「他人から預かったものはないか?」「危険物は入っていないか?」などの質問に答えるだけだった。当然”X線検査”は通常より厳しいのであろうが、予想より簡単に済んでしまったため「はぁ?これだけ?」と感じてしまった。現地で合流した義兄はアメリカから帰国したため様子を聞いてみると、飛行機に乗るまでに 3度のチェックがあり、その度に身分を証明できるものの提示を求められたとのことであった。

 国内線と国際線の違いがあるにせよ日本は随分と簡単だ。どこらへんがフェーズ Eなのだろうか。テレビでは空港内の警備の人員を増やしているだの、厳重な警戒態勢だのと伝えていたが、手荷物などのチェックも「こんなもの?」と感じる程度だったし、空港内で警備員を見かけることもなかった。

 日本ではハイジャックされた飛行機が国会議事堂や兜町に突っ込むようなテロが起きないと思っているかもしれないが、危機意識や危機管理のレベルがあまりにも低いと思ってしまった。空港のチェックが簡単な分、自分自身の警戒態勢がフェーズ Eに切り替わってしまい、あたりの人を観察していた。

 差別的で良くないとは思うが、アラブ系の人を見かけると妙にドキドキしてしまうし、目つきの怪しい人を見ると「同じ飛行機に乗らなければいいな〜」とか思ってしまう。それでも飛行機に乗り込み、席に着いたらガ〜っと寝てしまったので自分の危機意識レベルも相当に低いようだ。

 日本人は全体的にそんなものなのかもしれない。阪神・淡路大震災が発生した直後は防災グッズが飛ぶように売れて製造元の株価が倍になったが、それも一過性のものだったらしく今では元に戻っている。我家でも非常持ち出し用のカバンを用意したり、寝る前にヤカンに水を溜めておいたりしていたが、現在はカバンがどこにあるのかも分からないし、水も備えていない。サリン事件があった直後は地下鉄に乗るのも少し怖かったが今ではすっかり忘れてしまっている。

 しかし、現実には日本がテロリストの標的になる可能性だってある。国会は「集団的自衛権」に関する憲法論議で「わーわー」言っているが、「集団安全保障」と解釈すれば話は早いのではないだろうか。国民の安全を守るためには武力行使もする。他国に攻めていくことは許されないが、敵が日本に来たら武力を行使してでも排除するというくらいの姿勢を見せなければ、安心して暮らすことができない。

 現在の自衛隊は武器を所持していても使用は原則として認められていない。たとえ自衛隊の施設にテロリストが侵入しても武力を行使して防ぐことすら許されていないらしい。認められるのは正当防衛か緊急避難としての武器使用だけなのだそうだ。つまり、敵が武器を使用してこちらに怪我人や死人が出るとはじめて武器が使用できるということだ。

 海外派遣される自衛隊ですら「威嚇射撃」を認められている程度だ。武装した集団が攻めてきた場合「近づいたら撃つぞ〜」と警告して威嚇でパンパンと空に向って撃ったところで相手が攻撃を止めるはずがない。そんな規制で縛られた状態で現地に出向く自衛隊員が可愛そうだと思ってしまう。

 そんな手ぬるい警備しかできない日本はテロリストにとって活動しやすい国なのではないだろうか。今回のタリバンに対する報復攻撃を支持している国の中で一番手薄な日本が狙われる可能性が高いように思うのは考えすぎなのだろうか。自分がテロリストだったら「日本はチョロイから攻めてやろう」と考えると思う。

 地下鉄で炭そ菌の粉を散布されたら・・・などと考えると怖くて電車に乗るのも嫌になってしまう。日本では炭そ菌に有効な薬(抗生物質)を手に入れることすらできない。「備えあればうれいなし」という言葉もあるくらいだから、被害にあう前に武器使用の考え方から抗生物質の準備まで検討しておくべきだと思う。

 空港に話を戻すと、X線検査で気になった事がある。ペットボトル入りの飲み物が入っている手荷物が検査装置を通過しても何も聞かれなかったのだ。もし中の液体がライターのオイルやガソリンだったらどうするつもりなのであろう。

 「フェーズE(非常事態)」での警戒態勢でもその程度であるわけだから、フェーズ1の時は簡単に検査を潜り抜けられるのではないだろうかと、管理体制に疑問をもってしまった。

2001 / 10 / 21 (日) ¦ 固定リンク


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