何度となく、この雑感で日本特有の国民性に触れたが、「熱しやすく冷めやすい」「爆発的なブームを作り出してしまう」など、日本には独特の文化がある。
なにが”キッカケ”だったかは忘れてしまったが、会社の仲間と「ハヤリモノ」について激論を戦わせた。最初の議題は「今でもファービーを飼っている人はいるか?」というものだった。
ファービー人形を入手すべく、徹夜で行列に加わった人、プレミアのついたファービーを高額で入手した人など、当時のマスコミを賑わせたものだったが、今日現在もファービーに入れ込んでいる人は何人くらいいるのだろうか?
結論はさておき、すぐに次の議題に移った。それは、今でも「たまごっち」を育てている人は何人いるか?というものだった。日本国内で 100人程度はいるのではないかと思うのだが、会社の仲間は「そんなにいるはずがない!」と断言するのだ。
数百万という販売実績があるわけだから、0.01%の人が今でも育てていれば数百という人数が割り出される。決して無謀な予想でもないと思うのだが「0.01%もいるはずがなかろう!」と言って、いじめるのである。
いくら日本人が”熱しやすく冷めやすい”とはいえ、せめて 0.01%程度の人は現在でも育てていると思いたいのだが、ガンとして「いない!」と言い張る。「それならば」と、話題を変えて現在でも”ルービック・キューブ”で遊んでいる人はいるか?という点について考えた。
それは 100人以上いるのでは?という予測で意見の合意を見ることができた。そこで、執拗に「だったら”たまごっち”だって 100人以上いる!」と食い下がったのだが、「いない!」と却下されてしまった。
実際のところ、今でも”たまごっち”を育てている人が何人くらいいるのか、アンケート調査でもしてもらえないものだろうか。100人以上いるのか、1人もいないのかがとても気になる。
話を元に戻すと、以前の雑感で「流行を作り出したものが勝ち」と書いたが、その前線を走っているのが玩具メーカーの「タカラ」である。
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お買物日記”でも取り上げられているが、最近の「タカラ」は斬新な企画や子ども達を引きつける企画が連続している。
携帯電話の受話部分を受け持つバナナの形をした「そんなバナナ」、湯船のお湯を汲み上げてライオンの口から吐き出す「ゴージャス風呂」、チョロQ世代にターゲットをしぼり、ラジコン操作を可能にした「デジQ」、子ども達に爆発的な人気のある「ベイブレード」、エステの TBCの CMに”リカちゃん”を出演させたり、「ゴジラの肉」などのシリーズ缶詰を企画したりと、話題性に富んだ企画が目白押しである。
「最近のタカラは元気がいいなー」「新社長がやり手らしい」「株でも買ってみるか?」などと、会社の仲間と話していたのだが、それからは特に話題になっていなかった。
2-3日前の TV番組で「タカラ」の業績にふれていた。それを見ていたところ、タカラの株価が 3倍になっているらしい。「無理をしてでも株を買っておけば良かった〜」とジタジタしてしまったのであるが、冷静に考えてみると「それが、いつまで続くのか?」と疑ってしまう。
現在「タカラ」の株価を支えているのは「ベイブレード」の功績が大きいと思われる。冒頭で触れたように”熱しやすく冷めやすい”国民性であるがゆえ、このブームがいつまで続くかわからない。
タカラには現在、勢いがあるが、小泉政権に対する人気と同様にヒステリックに反応してしまう日本人が基盤となっているため、その実力がどの程度なのかは分析が難しい。国民の多くが津波のように一気に押し寄せ、何かのキッカケで一気に引いていく。
ややこしい話はさておき、一向に景気が回復しない現状であるわけだから、せめてゲームや玩具では元気の出る企画を出し続けてほしい。その意味からもタカラには失敗を恐れずに景気の牽引役としても頑張ってほしいと切に願っているのである。