以前の雑感でも触れたが、先月からリサイクル法が施行された。地球環境を考えるとゴミを放置しても、単純に投棄してもいけないのは当たり前のことなので、引き取ってもらうのにお金がかかるのは当然のことなのかもしれない。
しかし、新聞・雑誌などの古紙を引き取ってもらう時にはお金などをもらう事ができる。一方では収入になり、一方では支出になってしまうのには少しだけ矛盾を感じてしまう。”リサイクル”することに変わりはないわけなのに、どうしてなのだろう?
同じリサイクルでもペットボトル、アルミ缶などは無料でリサイクルできるわけだし、なぜ家電(それも一部)だけは有料になるのかを明確に説明してもらわなければ、積極的にお金を出す人などいないのではないだろうか。これでは不法投棄が増えてしまうのではないかと心配になってしまう。
最近は中古市場が元気なので余計な心配なのかもしれないが・・・。
BOOK OFFを代表とする古本、中古のゴルフ洋品店、ベビー用品、ゲーム・ソフト、パソコン、家財道具から高級ブランド品まで、ありとあらゆるものの中古品(USED)が販売されており、どの店も順調に業績を伸ばしているらしい。
それらもリサイクルの一環であり、ゴミを減らすのに役立っていると思う。一昔前は自分の使ったものを売ることにも、他人が使っていたものを買うことにも抵抗があったように思うのだが、抵抗感なく売り買いできるようになったことは、とても良いことだと感じている。
仕事の関係で偶然にもリサイクル関連の話を聞いた。一つは、最近のパチンコ台で使われている液晶(画面)のリサイクルである。
今はまったくやらなくなってしまったので知らなかったのだが、最近のパチンコは流行り廃れが激しく、数ヶ月サイクルで”台”が入れ替わるらしい。新しい”台”に取って代わられた古い”台”は廃棄される運命にある。しかし、2-3ヶ月しか使われていない液晶を廃棄してしまうのは「もったいない」ということで、”台”を解体し、液晶をきれいにして台湾などに輸出している業者がいる。
輸出された液晶はモバイル系の最新機種として蘇えり、再び日本に上陸しているとの事だ。過去の常識であれば「再生品だとぉ〜!」と思ってしまうところだが、結果的に安く手に入るのであれば「それも良し」と受け入れられるようになった。
もう一つは「これぞ究極のリサイクル!」と言いたくなるような話である。歯医者から出る廃液を処理する会社があるらしいのだが、そのシステムが見事なのだ。
歯医者の排水には、もちろん薬品なども含まれているわけであり、そのまま下水に流すことはできない。そこで、それを処理する業者の登場となる。排水を引き取り、それをろ過する際に当然のことながらゴミが出るのだが、そのゴミの中には歯の詰め物に使われる”金”や”銀”が含まれている。
最近の電子機器の中で使われている”基盤”にも高価な金属が含まれているが、それの比ではないくらいに高い比重で含まれているらしいのだ。金鉱を掘り当てるよりも、砂金を探すよりも、ものすごい確立で”金”を得られるのだから割のいい商売である。
さらに業者の抜け目の無いところは、分別した”金”や”銀”などの金属でアクセサリーを作り、廃液の回収先である歯医者の”奥さん”に販売している。元ある姿に戻すわけではないが、元あったところに戻すという点では「まさに究極のリサイクル」と、えらく感心してしまった。
なにはともあれ、完全循環型のリサイクルが今後も広がっていくことに期待したいと思うような、ありがた〜い話を聞くことができたと思っている。