先送り 先送り
諸般の事情により先週は雑感を休んでしまった。休んでいる間に小泉新政権が誕生した訳だが、各調査機関がまとめた支持率を見てみると平均して 80%程度と、驚異的に高い評価を得ているようだ。
ここは一つ、公約どおりに財政再建や構造改革を優先的に進めていただきたいものだと思う。今までの政治家は問題を先送りにし、自分の任期中は”ことなかれ主義”に徹していたため経済の立ち直りが遅れ、10年以上の不況が続いている。
しかし、問題を先送りにするのは日本人の特徴なのかもしれない。政治家に限らず、金融業界、ゼネコンなども「そのうちに、何とかなる」と思って来たため、さらに不況の長期化を招いているような気がする。
世の中には手を下さずに”何とかなる”問題と”どうにもならない”問題があるが、どんな問題でも早期解決を目指すことが解決の近道なのではないだろうかと考えてしまう。諫早湾の水門に関しても 1年後に結論を出すのではなく、とにかく開けてみるか、最高水準の”頭脳”や”コンピュータ”を動員して一刻も早く最善の方法を検討すべきではないだろうか。
・・・などと、偉そうな意見を書き連ねているが、自分自身も嫌な事は後回しにすることがよくあるし、「そのうちに何とかなる」と無理にでも楽観的に考えてしまうことがある。テレビなどで問題が提起されると、その時には「う〜ん」と考え込むが、解決法が見つからないと「まぁいいや」とか「後でよく考えよう」とか思ってしまう。
地球温暖化、砂漠化、オゾン層の破壊など地球規模での自然破壊が問題視されていると、「そりゃ大変だ」と思うが、個人だけの努力で解決できるわけがなかろうと半分は開き直ってしまう。
伝え聞くところによると、石油はあと 40年程度で枯渇してしまうらしい。同じく「そりゃ大変だ」と思っているが、40年後に自分は生きているかもわからないので「まぁいいや」という結論に達してしまうし、代替エネルギーを”誰かが”開発してくれるに違いないとノンキに考えてしまう。
こういうダラ〜っとした考え方がいけないのだ!と反省したりもするのだが、追い詰められた感覚がないため、ついつい先送りしてしまう。
こういう考え方を優先してしまうため、手遅れになってしまうこともある。日本では”トキ”がそれの代表例だと思う。
ニッポニア・ニッポン(Nipponia nippon)という学名を持つほど”日本的”な鳥であったトキが事実上絶滅(純血なし)してしまった。マスコミなどで騒がれたのは最後の 2羽になってからだと記憶している。
なぜ、最後の 2羽になって大騒ぎするのだろう。せめて 100羽でも生存している時に「絶滅しそうだ!」と大騒ぎしていれば、違った展開になっていたと想像できる。ギリギリになってから大騒ぎしてもすでに手遅れな訳で・・・。この調子でいくと、石油に代表されるエネルギー問題にしても同じ結果になるのでないだろうか。
経済や政治、自民党が危機的状態になって誕生した小泉政権に関する報道を見ていて、余計なことまで考えてしまうゴールデン・ウイークになってしまった。
2001 / 05 / 06 (日) ¦ 固定リンク