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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

日本人的消費行動 日本人的消費行動

 日本人は流行にとても弱い。最近では原則が崩れつつあるが、1億総中流意識があるためか、人と同じ事をするか、人と同じ物を持っていると妙な安心感があるらしい。ブームに火がつくと、皆一様に同じ行動をとってしまう傾向がある。

 古くは「ダッコちゃん」から最近の「オマケつき菓子」まで、流行すると品薄になり、市場から姿を消すまで売れまくる。流行に乗り遅れるという強迫観念からか、人が持っているものは自分が持っていなければ時代遅れの烙印を押された気持ちになるのかもしれない。

 なんでも普及の弾みがつくのは 30%が境目になるらしい。普及率が 30%を超えると、それ以降は爆発的な広がりを見せるとのことだ。携帯電話も 30%まではジワジワと普及し、30%を超えた途端に爆発的に広がっている。

 これは世界共通なのか日本固有なのか解らないが、日本人は特に周りに影響されやすいように思う。1/3の人が持っているものを自分が持っていないのはとても恥ずかしい事のように思ってしまうのではないだろうか。ファッションから食べ物まで皆が同じような嗜好になってしまう。ルービックキューブが流行れば購入し、モツ鍋が流行れば食し、ユニクロが流行れば皆が同じ格好をし、ワインが流行れば 1億総ソムリエになってしまうような勢いだ。

 個性がないと言うか、自己主張が足りないというか・・・。人と違うことは、そんなに恥ずかしいことなのだろうかと考えてしまう。

 少し前に、いかにも日本人的だと思える記事をある雑誌で読んだ。中山美穂が登場するビールの CMで”起用”される食材が飛ぶように売れるというのだ。CM中に彼女が食す「タン塩」や、シリーズ化された「新ジャガ」「ゆでエビ」など、取り上げられた素材が異常な売れ行きを示し、牛タンなどは、あまりの売れ行きのため市場から姿を消して、焼肉屋さんなどの業者を困らせたほどだという。

 言われてみれば一時期、スーパーに行くと必ずと言っていいほどエビが安売りになっていた記憶があるし、牛タンなどは今でも人気メニューになっている。極めつけは「なべぞこダイコン」で、そんな素材は既製品としてあるはずがないのだが、”紀文”が「なべぞこダイコン」を開発してしまった。

 衣・食・住すべてにおいて流行を追い求める日本人を相手にすれば、流行を作り出せるか否かが勝敗の分かれ目になる。キティーちゃんやらピカチュウやらのキャラクター商品も一過性のものに過ぎなかったが、たんまりと利益を貪り「ヘッヘッへ」とほくそえんでいる業者がいるに違いない。

 他人が仕掛けた流行にのってしまうのは悔しいと思ってしまう自分はやはり、ひねくれものなのだろうか。

 しかし、そういう国民性は悪い事ばかりでもない。すっかり乗り遅れてしまった IT分野も同様である。昨年末時点で家庭におけるパソコンの普及率が 27%程度だったと記憶しているが、もう少し進んで 30%を超えると日本国内で爆発的に普及すると思われるので、それ以降は他国に負けないサービスやアイデアが出てくるだろうと期待が持てる。

 各企業も自社の利益だけを追求するのではなく、この国民性を生かして経済全体が潤うような”流行”を仕掛けてほしいものだと切実に願う今日この頃である。

2001 / 03 / 03 (土) ¦ 固定リンク


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