年金問題

消えた年金問題も収束しないうちから、新たな火種となるデータ消失問題まで発覚して社保庁は対応に追われているようだ。 まだ年金を受け取っていない現役世代に影響がある記録は約 300万件にもなるそうだ。 我が家にはまだ届いていないが、現役世代に対する 『ねんきん特別便』 の発送も開始された。

この問題で国会が紛糾し、参議院選挙で自民党が大敗を記した際も、どこか現実味がなく自分の年金について考えることもしなかった。 今まで支払いを拒否したことなどないが、積極的に支払った記憶もない。 いったい自分の年金がどうなっているのかさっぱり分からないし、むしろ興味すらなかった。

若い頃は年金に無関心であったし、受け取る年齢に達するのはまだまだ先のことなので今も切迫感がない。 こんな人は少なくなかっただろうし、お年よりは自ら行動しなくても自動的に支払われると安心していたはずだ。 国民の関心が寄せられたという点においては騒ぎになったのも悪くはなかっただろう。 だたし、それは無事にすべてが解決できればの話である。

10年ほど前、勤めていた会社が倒産した際に年金、健康保険などの手続きなどを自分でやらなければならなくなった。 その年は空梅雨で、6月だというのに異常なまでに暑い中を様々な手続きをするため大阪市内を駆けずり回った。

失業保険の手続きをするためにハローワークにも行ったりしたが、どこの役所でもヒマそうにしているオッサンとかネエチャンがおり、汗を流しながらバタバタと動き回っているこちらをよそに、冷房の効いた館内で一点を見つめながらボワ~としている奴もいれば、訪れる人を眺めながら印刷物を一枚一枚、それはそれはゆっくりと折り、ときどき薄ら笑いをうかべている奴もいた。

その時も人の税金で給料をもらっているくせに何という態度かと思っていたが、そんな奴らが単純な作業すらまともにできていないと分かったのだから余計に腹が立つ。 組織には、優秀な人が 2割、普通の人が 6割、パッとしない人が 2割という構成になりやすい 2:6:2の法則があるが、あの官庁は 1:1:8 くらいの構成ではないだろうかと疑いたくもなってくる。

もっと合理化し、コンピュータ化も進めば人員を半分にしたところで何の問題もないことだろう。 いや、税金の無駄遣いでしかないのだから訳の分からない奴は即刻クビにすべきである。 『全国健康保険協会』 とか 『日本年金機構』 などという新しい公法人を設立したところで中の人間が同じであれば何も変わらないに違いない。

インターネットで自身の年金加入記録をいつでも閲覧できる 『年金個人情報提供サービス』 などを慌てて開始してご機嫌とりをするヒマがあったら、さっさと記録の整合性を保ち、問題の解決に全力を傾けていただきたいものである。

で、自分の年金であるが、20歳を過ぎても学生をしていたりフラフラしていた時期もあり、最初の会社は契約社員として働いていたので、まともに年金を納めだしたのは人よりかなり遅いと自覚しており、受取額が低くなってしまうことを覚悟していた。

ところが最近になって年金手帳を確認してみたところ、若い頃から支払われていることが分かった。 仕事をする以前は親が、契約社員として働いていた会社も年金だけは払っていてくれたみたいだ。 この先どうなるか分からないし、支給額だって思いっきり引き下げられる可能性も大きいが、とりあえずは人並みに受け取れることになりそうである。

今は親と最初に勤めた会社に感謝しなければなるまい。