九州では初めてという大きな地震が発生し、余震は今でも続いている。
本震と同等クラスの余震が続くなどという事態にあっては、さぞかし不安も大きいことだろう。
『生きた心地がしない』というのは、こういう時に使う言葉なのだと思い知らされる。
阪神淡路大震災を経験した身としては、NHKのアナウンサーが繰り返していた
「お互いに声を掛け合って・・・」
「具合がわるい時は無理をせず・・・」
「この難局を、この災害を乗りきりましょう」
という言葉に胸が熱くなる。
こんな非常時でも日本人は実に規律的だ。
店で棚から商品が落ちたりしている映像も数多くあるが、誰もそれを盗もうとしない。
これが海外だとあっという間に商品は略奪され、店はもぬけの殻になってしまうことだろう。
みんな避難所に指定されている場所に行って静かに救援を待つ。
ペットを連れた男性が
「これ(犬)がいると迷惑になるから」
と言って外で夜を明かす。
泣き声が迷惑になってはいけないと、赤ちゃんを抱いた若いお母さんが避難所の廊下にたたずむ。
給水車が来ても我先にと争うことなく整然と列をつくる。
子どもや高齢者を優先して支給された食べ物を配って歩く。
これこそが日本人の真の姿、世界から賞賛される国民性だ。
だからこそ、警察、消防、自衛隊は治安の悪化を心配することなく、暴動の鎮圧などに手を焼くこともなく、不明者の捜索や被災者の救出に専念することができる。
それらのことを伝えてくれるマスコミもある程度は重要だと思うが、ここの避難所では何が不足しているとか、あっちの避難所には何が足りないとか現状を把握しているのであれば、熊本城の瓦が落ちたとか山が崩れているとか上空からヘリコプターで撮影しているヒマがあったら不足している物資の一つも運べないものだろうか。
全局が同じような放送をしていないで、避難している人の要望を聞いて物資を調達するリアルタイム・ドキュメントでも放送したらどうだろう。
それはさておき、NHKでも繰り返して呼びかけていたように、せっかく命があって避難できたのだから、体調が少しでも悪ければ周りの人に助けを求めたり、赤ちゃんが泣きやまなければ経験豊富な先輩ママやお年寄りに助けてもらったりしながら互いに協力しあってこの難局を乗り切っていただきたいと切に願う。