扱いの差

先週と同じように報道関係のことになってしまうが、毎日の報道を見ていて不思議に思うことがある。

消防庁のまとめによると、平成26年(おととし)の総出火件数は 43,632件であり、1日あたり 120件、12分間に 1件の割合で発生しているとのことで、放火や自殺者を除く住宅火災による死者は 1,000人を超えるらしい。

それなのに、テレビ番組で取り上げられる火事のニュースは数日に 1件か 2件といった感じだ。

43,000件以上の火災で 1,000人を超える人が亡くなっているのに、どうしてニュースで伝えられるものと、そうでないものがあるか。

警察庁のまとめによると、平成26年の交通事故による死者(発生から24時間以内)は 4,113人で 1日あたり約 11人、約 2時間に 1人の割合で亡くなっている。

それなのに、テレビ番組で取り上げられる事故のニュースは火事と同様、数日に 1件か 2件といった感じだ。

573,465件以上の事故で 4,000人を超える人が亡くなっているというのに、どうしてニュースで伝えられるものと、そうでないものがあるか。

大火災や大事故が発生して死者が増えれば全国ニュースで大きく扱われるが、それ以外にも一般住宅の火事で焼け跡から 1名の焼死体が発見されたとか、自動車の正面衝突で 1名が死亡などというニュースもあるので規模の差だけではないようだ。

もちろん、テレビ放送の時間は限られているし、新聞紙面のスペースも限られているのですべての火事や事故を報じることはできないだろうが、扱いに差がでる理由が分からない。

過去の独り言にも書いたように、NHKは 10分くらいの短いニュースで新しく始まる朝ドラの宣伝をしたりするが、そんなくだらないことを取り上げるくらいなら、毎日どこかで必ず発生しているであろう火事や事故を伝えるべきではないだろうか。

小規模な死亡事故や死者を伴う火事など、いちいち取り上げる時間がないというなら、それらのニュースは一切伝えなければ良い。

伝えられるものと伝えられないものがある理由が分からないし、納得できないのである。

今日の今現在、都道府県別に何件の火事、事故が発生し、何人が亡くなり、今年に入ってからの累計がどうなっているかだけでも伝え、数値が高くなってきているから事故に気をつけよとか、火事に気をつけよと警告だけするようにしたら良いのではないだろうか。

殺人事件にしても被害者数は 1955(昭和30)年の 2,119人をピークに減り続けているとはいえ、2012 (平成24)年現在で 383人が被害にあっている。

それはつまり、1日に 1人以上ということになるが、報道されるのは半分以下なのではないだろうか。

猟奇的殺人とか連続殺人、幼児殺害などセンセーショナルに扱われる事件の陰で何人もの人が犯罪者の手によって命を奪われている。

そこに何か釈然としないものを感じる自分がおかしいのだろうか。

たしかに、毎日、毎日、今日は事故で何人、火事で何人、殺人で何人が亡くなったと知らされても気が滅入り、暗い気分になるだけかもしれないが・・・。