過去の独り言で 『小林製薬』 や 『マクドナルド』、『ナショナル』 に 『アート引越しセンター』 のテレビCMに文句を書き、 『エステー』 や 『セコム』 のCMが嫌いだと書きなぐったりしてきたが、まだ他にも嫌いなCMはある。 以前の雑感にも書いたが、DonDoko 山口 (智充) 氏が登場するCMのすべてが好きになれないし、エプソン社のCMはどれを見てもパッとしないように思う。
エプソンは過去から現在におけるまで、その時々の一線級のアイドルや大物芸能人を起用している割にはイマイチ感がほのかに漂い、どうしてこうもダサダサのCMしか作れないのかという哀れみすら湧いてくる。 クライアントであるエプソンにセンスがないのか、広告代理店にセンスがないのか、同じ家庭用プリンタのCMなのにキヤノンとは大違いである。
池田模範堂の手荒れによるパックリ®割れ治療薬 『ヒビケア軟膏』 のCMも大袈裟で嫌いだ。 特殊メイクとも呼べない幼稚なひび割れを手の何箇所にも作り、大袈裟に宣伝する内容に嫌悪感すら覚えてしまう。 とにかく過剰演出がどうしても好きになれないのである。
CMで気になっているのは森永製菓で、エンゼルマークの表示とともに流れる 「ピポピ」 のシグナル音は、「ピポピポ」 の 4音が復活した。 1967年から 1985年まで 4音だったのに 1986年のマーク変更とともに 3音に変わり、それまで馴染んできた者としては何だか拍子抜けするような、しっくりこないような違和感を覚えたものだが、4音に戻したのには何か訳があるのだろうか。
その他に気になっているのはビール業界のCMである。 タレントを起用するようになったのはいつの頃からか。 昔はどこかの劇団員のような見たこともない人が登場するのが常であり、どのビールメーカーもそれは同様だった。 それが今では名のあるタレントや、矢沢永吉氏のような大物まで起用している。 消費が落ち込み、他社との差別化を図るためには止むを得ないのかもしれないが。
ブレンディの CM といえば原田知世氏だ。 あのCMは一度流れ始めると、それが新しくなるまで長期間放映される。 それは決して予算がない訳ではなく、あえて長期間の放映をしているのだという。 その刷り込み効果は著しく、原田知世 = ブレンディ、インスタントコーヒー = ブレンディと潜在意識に深く刷り込まれているようで、アンケート調査では回答者の多くがインスタントコーヒーと言えばブレンディと答えたそうだ。
さらに驚くべきことに、そのCMは 2001年にまとめ撮りされ、つい最近まで、放送されていたという。 どうりで歳をとらないはずだし、これほど徹底したキャラクター管理は執念とさえ言える。 現在放映されているものは今年になって収録されたものらしいが、いった何年分までまとめ撮りしたのだろう。 これから 10年間くらいは歳をとらない原田知世氏が見られるかもしれない。
最近はネット広告の伸びが著しく、テレビCMの数や予算は減少していると言われている。 しかし、それでもネット広告への予算は数%にすぎず、テレビCM予算の 70%とは比較すべくもない。 そして、ラジオや雑誌、屋外(看板)広告など様々な宣伝方法はあれど、日本コカ・コーラ社の壮大な実験結果によると、駅構内や電車内における交通機関広告が最も費用対効果が高かったらしい。
今後、CMがどこに向うのか分からないが、視聴率の低迷が続くテレビ業界から離れ、ますますネットへの流出や費用対効果の高い他の媒体に移行していく可能性は否定できない。 その時、我々消費者の目には、どんな映像が飛び込んでくるのだろう。