田舎にて

今年二度目の帰省、それも前回からあまり日をおかずのことなので延々と実家で過ごしているような錯覚におちいる。

ここ、北国の豪雪地帯は冬の雪対策のため道幅が広い。

大阪の道路は車がすれ違うのがやっとという狭い道もあるが、そんな幅だと除雪をしたら道路沿いの家が埋まるか、脇によけた雪で人も歩けなくなってしまう。

こちらの道路は最低でも車が余裕ですれ違える程度の幅があり、ごく普通の道路でさえ 4車線くらいの広さで、交通量の多い道や国道は軽く 6車線、その両側には人が横 6列で楽に歩ける歩道、そしてさらに余裕を持たせて家が建っている。

その建物も高いビルなど存在せず、通常は 2-3階、高くても 5階程度だ。

だだっ広い道に低い家、視界を遮るものがないので空がやけに広く見える。

空気も澄んでいるので夜になれば広い広い空に無数の星が煌めく。

今は分からないが、子供の頃は肉眼で天の川が見られたほどだ。

暗くなると、今の時期は夏の虫と秋の虫が共演し、にぎやかな音を奏でる。

時間がゆっくりと流れているようで、身も心ものんびりしてしまう。

普段の生活ではテレビや音楽など何かしらの音がないと寂しいが、ここではテレビを見る時間も少ない。

食事中も無音のまま、なんやかんやと会話しながら箸を進める。

実に穏やかで優しい時間の中で意識がたゆとう。

•••••。

などと言っている場合ではない!

まだまだ実家の片付け中であり、今こうしている間も 『お買いもの日記』 担当者はドタバタと動き回り、ゴシゴシとあちらこちらを拭いている。

前回も今回も田舎の良さなど実感することなく、バタバタと忙しい毎日を過ごしたりしているところだ。