相性

自分はどうやら本当にオバチャンとの相性が悪いらしい。 昨日の夜、自転車で近所をウロウロしていると、脇道からもの凄い勢いで自転車に乗ったオバチャンが飛び出してきたのである。 驚いてブレーキを強く握ると、自転車は 「ギギギギー!!」 と大きな音をたてて急減速し、かろうじてオバチャンのとの衝突を回避することができた。

オバチャンは謝るどころか、まるで 「そっちが止まるのが当然だ」 とでも思っているかのような態度で、自分より大きく広いであろう背中で、これまた立派で広い肩幅の盛り上がった肩をいからせ、大きな尻をブリブリさせながら、こちらを見もせずにズンズンと進んで行く。

あまりにも腹が立ったのでオバチャンの自転車の後方 30cm くらいまで近づき、オラオラとあおってやったが、それに気付いているのか気付かないのか、まったく気にする様子もなく、ただひたすらに進行方向だけを見つめてペダルをガシガシ踏んでいる。 相手にされない寂しさと、アホらしさが入り混じった微妙な感情が心を支配したので後を追うのを止めたが、腹立たしさは胸に残ったままだった。

8月に自転車で近所をウロウロしていたときもそうだった・・・。 脇道から車に乗ったオバチャンが、本線に入ろうと様子をうかがっていた。 自分より太い腕でガシッとハンドルを握りしめ、本線の車が途切れる瞬間を狙っている。 ちょっと嫌な予感がしたので少しスピードを落としながら車に近づいて行ったのだが、オバチャン号は車が途切れても発進しようとしない。

ずいぶん慎重だと思いながらオバチャン号の前を通り過ぎようとした瞬間、ブォンとという音と共に動き出すではないか。 慌ててハンドルを切り、衝突を回避するのと同時にオバチャン号も慌てて止まる。 腹が立ったので睨みつけてやったが、オバチャンは堂々と真っ直ぐ前を見据えたまま目を合わそうともしない。 かえって同乗者の方がワタワタと慌てているくらいだ。

それだけだったらまだしも、後ろを走っていた 『お買物日記』 担当者が前を通り過ぎようとした瞬間、同じようにオバチャン号が発進しようとしたので 「キキキ!」 という甲高い自転車のブレーキ音を、あたりに響き渡らせる結果となってしまった。

オバチャンには学習能力というものが備わっていないのか! ヒヤッとした瞬間を記憶する能力がないのか! そもそもヒヤッとする感覚を持ち合わせていないのか! 周囲に目を配れず、正確な状況判断もできないオバチャンに対しては、警察も免許を交付しないで頂きたいものであり、自転車であれ車であれ、走る凶器と化す可能性があるものを与えないでいただきたい。

自転車のオバチャン、車のオバチャンとも、よく今まで事故を起こさずに済んだものである。 そして、ああいうオバチャンが事故を起こしたときは、何だかんだと機関銃のようにじゃべりまくり、まるで自分が被害者であるかのような論理を展開し、当たり屋よりも性質(たち)の悪い相手に遭遇してしまったことを、本当の被害者に思い知らせたりするのだろう。

そういう意味では、事故にならずに済んだ自分の幸運を喜ぶべきなのか・・・。