専門分野

自分は大きなくくりで言うとコンピュータ関連の仕事をしている。

ものすごく大雑把なくくりでコンピュータ関連ではあるが、コンピュータに関するあらゆる知識がある訳ではない。

一般の人よりも広く浅く知ってはいるが、専門にしているのは Web関連のことなのでパソコン本体のことや、その中のハードウェアのことを聞かれても知らないことのほうが多いのは当然だ。

ソフトウェアに関しても使ったことのあるものであれば知っている限りのことに答えられるが、世の中のすべてのソフトを使ったことがある訳ではないので回答できることは限られる。

それでもやはりコンピュータ関連の仕事をしていれば様々なことを聞かれるし、様々なことを頼まれてしまう。

分からないことを聞かれても
「さぁ~どうなんでしょぉ~」
と長嶋茂雄みたいに受け答えできたり、知らないものは知らないと突っぱねられたら良いのだが、頼られた以上は色々調べて回答するようにしている。

そうすると次に分からないことがあればまた質問されるという悪循環?好循環?いや、どちらか分からない謎のスパイラルに陥ってしまう。

結果的に自分のため、スキルアップにもつながるので悪いことではないが、特に質問の多い OS関連、Windowsの設定やら何やらを調べて答えているとマイクロソフト社からサポートの委託料でも支払ってもらいたくなる。

自分が作成したプログラムの数倍以上はマイクロソフト製品のサポートをしているからだ。

それもまあ、仕方のない事なので今後も続けていくつもりでいるし、マイクロソフトからサポート料をもらえるはずがないのも分かっているが、今後増えるであろう新 OSの質問に対応するため、 Windows 8くらいは無料で配布していただけないものだろうか。

専門分野のことであれば普段から接しているのでそれなりの知識もあり、質問に難なく答えられるが、専門外のことはそれなりに勉強したり回答するための準備が必要なのである。

マサルはコンピュータの保守を仕事としている。

今は東京で内勤になっているが、若いころは広い北海道の現場を飛び回ってコンピュータや端末機の修理などをしていた。

そこでよく言われたのが、ついでにテレビの調子が悪いので見てほしいとか、洗濯機の調子が悪い、挙げ句の果てには炊飯器が時間通りに米を炊き上げてくれないという内容だったという。

コンピュータのような複雑で精密な機械を修理できるのであれば、家電など簡単に直せると思われてしまうのであろう。

先日、循環器科と内科を受診しに病院に行った。

循環器の先生が転勤になると聞かされ、そのことを内科の先生と話していると、
「ところであなたの症状なんですけど」
と、循環器の話をしてくる。

聞けば内科の先生も循環器に不安があるらしく、
「私はこう感じるんですけどあなたはどうですか」
という問いに対して
「ああ、同じですよ、これこれこういう感じがします」
と答えると
「ですよねぇ~」
と妙に安心したような感じでニコニコしながら応じる。

「私はこういう症状で、こういう違和感があるんですけど・・・」
と細かく聞かれたので、
「ああ、そんな感じです」
と応えると、何十年ぶりかで戦友に再会したかのようにパッと明るい顔になり、
「で、ですよね~」
「そうです、そうなんですよね~」
とニコニコしていた。

どうやら専門分野以外のことが分からないのは医者も同じらしい。