3/18 からの続きになってしまうが、マサルの留守電で遊んでいた頃に、楽しませてもらってばかりでは申し訳ないので、こちらも楽しませてやろうと色々なメッセージを残しておいた。 当時は二人揃ってあるアーティストに入れ込んでおり、そのテーマソングだけを録音しておいたら数時間後にマサルから電話があった。 「よく分かったな」 と言うと、「あんなことする奴はお前しかいない」 という返事。
当時は携帯電話など普及しておらず、どうしても確認したいことがあったので何度も電話したがマサルは外出中だ。 最初は 「すぐに電話くれ」 とか 「早く帰ってこ〜い」 などとメッセージを残しておいたのだが、だんだん話すことがなくなってきたので途中からは似ても似つかないモノマネを録音してやった。
「こんばんは・・・森進一です」 とか 「ど〜も〜桜田淳子で〜す」 とか 「どうぼ、だぶらまざがず (田村正和) です」 などなど、思いつく限りの芸能人の名を挙げ、誰が聞いても似ていないモノマネをして一人で笑ったりしていた。 そして、そんなことをしたのをすっかり忘れて遊びに出かけ、帰宅したら鬼のように怒ったマサルからの電話があった。
ワナワナと震えた声で 「おまえな〜」 と言うので 「あ?」 と間抜けな返事をしたら 「くだらないことをするなぁー!」 と叱られてしまった。 なんでも外出先から留守電のチェックをしたところ、「34件のメッセージがあります」 と聞き、親が怪我か病気でもしたのかと心底驚いたと言う。 そんなのは知った事ではないので 「うるさい!楽しませてやろうとしただけだ!」 と反撃すると 「たしかに面白かったけどよ〜」 と、しぶしぶ認める気の良い奴なのである。
マサルとは本当によく電話で遊んだものだ。 二人で夜中にテレ朝系の 『朝まで生テレビ』 を観ながら電話で出演者の意見に文句を言い合い、『朝まで生電話』 になってしまったこともある。 マサルの映画評論は中途半端な評論家より信頼できるので、電話で面白い映画を教えてもらってからレンタルビデオ屋に向ったことも一度や二度ではない。
過去の雑感に何度も書いているように、ドロドロとした恐怖映画は恐くも何ともないのだが、何かが急にドバーッ!と出てきたりして驚かされるものは心臓に負担がかかるので観ていられない。 そこで登場するのがマサルだ。 自分が興味を持つような映画はだいたい観ている奴なので、電話をして驚くシーンがあるかを事前に確認する。
すると、「映画中盤で主人公が洗面台の棚に手を伸ばしたときに後ろから・・・」 などと驚かされるシーンを細かく説明してくれるので、十分に心の準備を整えた上で鑑賞できるので誠にありがたい。 それでも想定外のシーンで尻が床から 6.25cm ほど浮き上がるくらい驚き、うずくまってハアハアするようなこともたまにはある。
映画を観終わった後にマサルに電話して 「あほー!〇〇のシーンで死にそうになったぞ!」 と抗議すると、「そんな程度のことで驚くと思わねーだろーが!」 と反撃される。 「お前の言うことなんか二度と信用するか!」 と悪態をつくと 「泣きながら電話してきても教えてやらないからな!」 と大喧嘩になってしまう。 それでも数日すると、ご機嫌を伺いながら電話して面白い映画を教えてもらったり、驚くシーンの有無を確認したりするのである。
そして、そんな関係は現在も継続したりしている。 ここ数年はレンタルで映画も観ていないが、ゴールデンウィークも近いことなので、そろそろマサルに電話して映画評論でも聞こうかと思っている今日この頃である。