低レベルな自慢話

過去の雑感にも自慢話が好きではないことは書いたが、それでもまだ自身のことや実績を誇る程度であれば、部分的に感心したり尊敬できたりもするので多少はマシというものであったりすれど、最近は子供じみていてアホみたいな自慢が多いので開いた口がふさがらない・・・いや、逆に閉口してしまうことが多くて困る。

「知り合いに IT企業の社長がいる」 という奴。

「・・・はぁ!?・・・で!?・・・だから!?」 と色んなセリフは頭に浮かぶものの、それはすべて疑問符でしかなく、会話の続けようがない。

知り合いに IT企業の社長がいるのは分かったが、その社長がどうしたという話しでもなく、その会社がどうだという話しでもなく、
「知り合いに IT企業の社長がいるんですよ」
の続きを話さずに、そこで言葉を切って 「フフン」 とせせら笑う感じでこちらを見ている。

何と答えて良いものやら、頭の中には様々な大きさで色とりどりの ?マークがボヨンボヨンしているのだけなので口から出るのは
「はぁ・・・」
というため息にも似た声。

「知り合いが起業してIPOを実現した」 という奴。

その会社に出資していたとか、未公開株でも貰っていて上場益を得られたというなら
「先見の明がありますね~」
とか
「大金を手にされたんでしょうね~」
などとお世辞のひとつも言いようがあるが、話しはそこに及ばず、
「知り合いが作った会社が株式公開したんですよ」
の続きがある訳ではなく、そこで 「ムフフン」 とふんぞり返っている。

その本人の功績でもなければ何でもない話を聞かされて、どうリアクションしたら良いのか分からず、口から出るのは
「ほぉ・・・」
という差し障りのない無機質な返事。

その他にも
「どこそこの市議会議員は知り合い」
とか、
「なんかいう国会議員と食事をしたことがある」
など、そいつの耳を引っ張って引きずり回し、メガホンを持って
「だからどぉーしたぁああああ!」
と今まで出したことがないくらいの大声で叫んでやりたくなる内容ばかりだ。

小学生が
「ウルトラマンは強いんだぞ」
とか
「うちの母ちゃんは美人なんだぞ」
とか
「お姉ちゃんは東大生だぞ」
などと自分以外の自慢にもならない話しをしているのと大差ない。

精神年齢が低いまま外見だけ無残に老けこみ、自慢の “自” に何の意味があるのかも理解できず、なぜか他人の功績を披露して優越感にひたるという変わった人種が存在するのである。

人に妙な話しを聞かせるヒマがあれば、その素晴らしい友達と仲良くなるか利用するかして自分も何かすれば良いだろうし、コネクションを伝って政治家にでも華麗に転身すれば良いだろう。

とにかく、リアクションに困るような会話はやめていただきますよう、お願い申し上げますと心から言っておきたい。