似たもの

長いこと同じ環境で生活すると外見やら性格やらが似てくるものらしい。

それは人間同士でもそうだし、動物と人間にも同じことが言えるように思う。

我が家の場合も同様で、『お買い物日記』 担当者と自分は似ても似つかぬ顔をしていたはずなのに、大阪に住んでいた頃に
「二人はきょうだい?」
と聞かれたことがある。

それはどっちが年上に見られたのかなどという問題はさておき、似て見えたのが顔なのか雰囲気なのか。

長年連れ添った夫婦は顔も似てくるものなのかも知れないと思わされるのは楽天ゴールデンイーグルス現監督の野村克也夫妻。

人はどう思うか知らないが、自分の脳の中では二人の顔が完全に一致する。

監督の人相をとことん悪くして、思いっきり厚化粧をすれば見事な野村沙知代のできあがり。

恰幅の良い男性の横に線の細い女性がいて、それが夫婦ということもあれば、もの凄いパワフルなオバチャンの後ろからヤギのようなオッチャンがトボトボと付いていくような夫婦もいるので一概には言えないと思うが。

しかし、ペットに関しては間違いなく飼い主に似ると思われる。

一説によると飼っている間に似るのではなく、飼い主が自分に似たペットを選んでしまうということもあるらしい。

そう言えば千里丘に暮らしていた頃に近所で飼われていたお気に入りの黒い犬はとても大人しい犬だったが、飼い主であるお父さんもとても静かな人だった。

いつも元気な五郎くんのお母さんもとても元気な人だった。

線路沿いのお宅で飼われていたパグのお父さんは失礼ながらパグにそっくりな顔をしていた。

過去を思い起こしても友達の家で飼われていた犬たちは、それぞれ何となく性格だったり顔だったりが友達に似ていたように思う。

猫を飼っている人は何となく雰囲気が犬系よりも猫系だったようにも思う。

現在、隣のお宅で飼われている犬は狸顔で何となく奥さんと似ているような気がしないでもない。

そして、千里丘で住んでいた借家の斜め向かいの家には実に変わった性格の人が住んでいたのだが、そこで飼われている犬も本当に性格が悪かった。

何度顔を合わせても慣れずに吠え続ける奴で、それも飼い主の足元に隠れるようにしながら卑屈な顔をして吠えている。

今までの様々な実体験からも、ペットは飼い主に似る、または飼い主は自分に似たペットを選んでしまうという説には心から共感できる。

子供の頃、実家で飼っていた犬は言うことを聞かず落ち着きがなく、しょっちゅう脱走して 2-3日は帰ってこないという駄犬を絵に描いたようなバカ犬だったが、あれは誰に似たのだろう・・・。