肝っ玉

小心者なのか剛の者 (ごうのもの) なのか、自分のことがよく分からない。

何かを始める前、例えば旅行にしても事前の準備では様々なことが心配になり、すべて怠りなく整っていないと不安になるし、予定の時間などは分単位で気になってしまう。

ところが前日や当日になるとすっかり開き直ってしまい、持ち物などは多少の忘れ物があろうと金さえ忘れなければ必要なときに買えば良いし、金で買うことができない時間にしても何とかなるだろうと予定時刻もさほど気にならなくなる。

仕事も同様で、例えば Webサイトの公開前には不具合がないか、正常に動作するか、設定のし忘れはないかなど様々なことが心配になり、最悪な事態を想定して対処法を準備したりする。

しかし、いざ公開となると例え何か問題が発生したとしてもどうにかなるだろう、何かあっても対処可能で大きなトラブルもなく解決できるだろうと開き直ってしまう。

人からは逆境に強いとか肝っ玉が座っているなどと評されることもあるが、それよりも悩みぬいた挙句に考えたり心配するのが面倒になり、思考停止に近い状態か、完全に開き直って尻を捲ってしまうような、あまり褒められたものではない心理になっているような気がしないでもない。

心配症なのは母親譲りで、実際に事が起こっている訳でもないのにアレコレ心配したり、小さなことが気になったり、些細な事で思い悩んだり心を痛めたりしてしまう。

開き直ったり尻を捲ったりするのは父親譲りだと思われ、良く言えば何事にも動じず、波風が強い中でも飄々と漂うように涼しい顔をして進んでいくように見えるが、実のところ何も考えていないだけだったりすることも少なくない。

かなり以前の雑感にも書いたことがあるが、自分は二重人格、多重人格ではないかと思うことすらあり、なぜあれほど細かいことを気にしていたのか後になって分からないこともあれば、逆になぜそこまで大胆に振る舞えるのか、後になって冷や汗を流すこともある。

きっと人間としての器が小さく、おちょこみたいな小さな中で表面張力も手伝ったギリギリのところまで考えたり悩んだりしても、すぐに溢れだすのと同時に脳もデロリンと溶け出してしまい、思考能力の低下に至るのではないだろうか。

お買い物日記』 担当者が大きな病気をした時も、最初は大きなショックを受けるとともに先行きが不安になったり将来を絶望したりしたが、数日悩んだ挙句、何の根拠もないまま無事に回復し、平穏無事な生活が戻ると確信するに至り、極めて冷静に、そして少し楽しみながら闘病生活を共に送ることができた。

最近、義兄が大腸カメラの検査でポリープが見つかって切除し、今は結果待ちとなっているが、最初に知らされたときはポリープが悪性だったらどうしようとか心配したが、今はきっと何の問題もないだろうと楽観的になっている。

数年前、胃カメラでポリープが見つかって病理検査に回しますと言われたが、それは今回の義兄と同様に悪性か否かを検査する内容だったにも関わらず、自分の場合はそれほど事態を深刻に受け止めるような脳の働きをせず、ぼんやりと話しを聞き、一切の心配をすることなく日々の暮らしを送っていた。

数カ月後の定期通院で内科の医者に
「良かったですね~、検査結果は問題ありませんでしたよ」
と言われ、やっと心配に値する事態だったのだと気づく有り様だ。

つまり、小心者であるかどうかという前に、単に頭が悪いか勘が鈍いのではないかという疑念が生じ、逆境に強い訳でも肝っ玉が座っている訳でもなく、人からは 『おめでたいヤツ』 と冷ややかな目で見られている可能性も決して低くはないような気がしはじめた今日このごろなのである。

外食

昨夜は徒歩数分の距離にある回転寿司に行ってきた。

大阪で暮らした 14年弱の間、外食したのは数えるほどしかない。

仕事関係であれば何度となく外食しているが、『お買い物日記』 担当者と二人で出かけることは極めて少なく、最初は店で食べていたハンバーガーやお好み焼きもテイクアウトするようになったので、年に 1度あるかないかのことだった。

それに比べれば北海道に帰ってきてからは外食の頻度が飛躍的に高まったような気がしていたが、それでも年に数えるほどしかないということに気付かされたのは、昨夜の店で発行してもらったポイントカードによってである。

500円で 1ポイントとなり、それが貯まるとポイント数によって様々なサービスを受けられるが、それは期限付きであるため前回発行してもらったものを提示すると無効だと言われてしまった。

それで今回も新しくカードを発行されたのだが、今のペースで来店した場合、期間内には最低限のサービスしか受けられないものと思われる。

長兄夫妻が来てくれたときは外食するが、二人だけで外食することは今も決して多くはなく、年に一度の焼き肉屋、年に一度のハンバーグ屋、年に 4-5回の回転寿司くらいなものだ。

ちょっと気に入って何度か行ったカレー専門店も物価高による原価削減を敢行したのか、量的に質的にもレベルダウンしたように感じ、さっぱり足が向かなくなってしまった。

ただし、それは晩御飯に限ったことで、昼食は外食やテイクアウトで済ますことは少なくない。

以前は晩ご飯として食べていた大好物のモスバーガーも最近は昼食に充てることが多く、ケンタッキーフライドチキンやマクドナルドなどのファストフードもほとんどが昼に食べるようになった。

若いころとは異なり、高カロリー高たんぱく質食品を夜に摂取しようものなら胃もたれ胸焼けを引き起こす危険性が高く、ただでさえ代謝の衰えが著しいお年ごろにあっては体内に脂肪として蓄積される一方であることは明白であるため遅い時間に食べるのを避けるようになったのである。

たまに無性に食べたくなり、年に一度だけのり弁を買って食べるのも昼、最近になって見つけたカツ丼がとても美味しい店も行くのは昼だ。

そして、これからの寒い時期は亡くなった次兄の大好物だったラーメンの季節で、我が家も月に一度は通おうと思っているが、それも昼食であって夜に行くことはない。

今頃になってロースカツサンドの美味しさを覚え、中毒的に食をそそられるようになった 『お買い物日記』 担当者だが、あまり食べ過ぎるのは良くないと月イチ程度にしようと思っているのも昼食の話しだ。

つまり、今でも夜は外食やテイクアウトとか惣菜などの中食で済ませることは多くなく、内食するのがもっぱらなのである。

以前の雑感にも書いたことだが、外食していても食べ終わるとすぐに帰りたくなるし、しまいには食べている途中から尻がムズムズしてしまい、早く食べて早く帰ろうという気になってしまう。

周りを気にせず食事を楽しめば良いと分かっていても、家族連れを見れば子どもが店内を走り回ったりするのが気になるし、幼児がテーブルの上の何かをこぼさないかも気になるし、他のテーブルの料理が出てくるのが遅ければそれも気になり、店の人が忙しそうにしていれば注文するのすら申し訳ないような気になってしまい、どうにもこうにも落ち着かない。

結果、どんなに美味しいものを食べても精神的な疲労が激しく、やっぱり家で食べるのが一番と思ってしまう。

そんなこんなで、今後も夜の外食が増えることはないものと思われる。

スマホ買い替え考察

この年末、スマホ購入から 2年が経過する。

自分は iPhone、『お買い物日記』 担当者は Android端末だ。

最近は iPhone 5sとか 5cの話題が多く、正直なところ 4sユーザーの自分としては食指が動かないこともないのだが、動作が少し遅いものの最新の iOSは動くし、バッテリーの持ちもさほど低下していないことから積極的に買い換える大きな理由はない。

3シリーズのように最新の iOSが使えないのであれば買い替えも検討するが、どうせ来年の夏になれば 6が登場するものと予想されるし、一段の低価格化が進むのではないかとの期待感もあるので今は買い時ではないと判断している。

『お買い物日記』 担当者のスマホは購入当時に製品知識が不足していたこともあり、何をどう間違えたのか世の中で最低スペックの製品を選んでしまったので、とても動作が遅いのに加えてメモリー容量が極端に乏しく、何かひとつ処理させるにもウンウンと唸り声をあげながら必死に動いてる感がありありであって、見ていて痛々しさすら感じてしまうほどだ。

さらに記憶容量も極めて小さく本体のメモリーはすでにパンパン状態で、もう何のアプリもインストールできないどころか、すでに入れているアプリのアップデートもままならず、あのアプリを最新にしようと思ったら、そっちのアプリを一旦は削除して・・・などと必死にやりくりしなければならない。

楽しく遊んでいるゲームも動作が怪しくなって先に進むことすらできない状態になることが多く、何度も最初からやり直す羽目となっては先に進んでまた使用不能状態に陥るということを繰り返し、とうとう試合放棄を余儀なくされてしまったゲームもある。

そんなこんなで購入から 2年が経過する来月末か 12月には、Android端末だけは機種変更しようと目論んでおり、今は各メーカーの製品を比較検討している段階だ。

技術の進化は日進月歩どころか分進秒歩と言われており、人間の進歩より遥かに早いことから 1年が人の 7年に相当するほど成長の早い犬になぞらえ、技術革新など変化の激しさをドッグイヤーと言うが、あれから 2年が経過したということは単純計算で 14年分ほどの技術革新がなされたということになる。

そして今が 8歳の黒柴リュウくんは人間の年齢に換算すると 56歳ということになり、自分より歳上なのでリュウくんではなくリュウ先輩だったりするのだと唐突に思ったりしているところであるが、話を元に戻せばスマホもかなり進化しているであろうから、今度こそ慎重に吟味して良い製品を手に入れたい。

しかしスマホは戦略商品であり、各社は技術の粋を集めて製品化しているので大きな機能の差や特徴は少なく、どこも似たり寄ったりの仕様と価格になっているのが悩ましいところだ。

1万~2万円の差があるとはいえ、いきなり韓国製を購入するのもためらわれ、ならば国産と思っても世界では負け組の日本勢にあって何とか見劣りしないものを作っているのはソニーとシャープくらいなものである。

ところが我が家、以前からソニー製品とは相性が悪く、購入したものは保証期間が過ぎるのと同時に狙っているのではないかと疑いたくなるほど見事に故障するということが続いており、先に触れた『お買い物日記』 担当者の今のスマホもソニー製であって満足度が低いのも相変わらずだ。

そして、液晶テレビとブルーレイレコーダーでシャープ製品を使用しているが、ソフトウェアの作りこみが粗いというか雑なものだから使用感が良くない。

特にスマホは機械と人との間をとりもつソフトの出来がとても重要であって、OSは世界共通の Androidであってもそこにシャープのインターフェースが乗るのかと思うと若干の不安を感じる。

単純にスペックで比較するとカメラは圧倒的にソニー製が優れており、ブログなどに写真を掲載することの多い 『お買い物日記』 担当者にとっては評価が高くなる部分だ。

しかし、シャープの製品は世界に誇る IGZOディスプレイを搭載しており、バッテリーの持ち時間が圧倒的に長いという強みを持つ。

数カ月に一度の割で検診のため札幌に行く 『お買い物日記』 担当者にとっては長時間使用も魅力の一つとなる。

あれこれ考えていて結論には至っていないが、次なる選択肢は価格だ。

最新機種の場合、どのメーカーのものを選んでも 5万円以上になり、優遇されるのは機種変更ではなく他社からの乗り換えユーザーばかりで、せっかく長く使っているユーザーが得られるメリットは少ない。

それならば我が家も auからドコモやソフトバンクへ乗り換えてやろうかと思わないでもなく、実際に他社からの乗り換えなら本体価格実質 0円などという広告が目立つ。

5万も 6万もする端末が 0円なのであれば決して悪い話しではないが、問題になってくるのはメールアドレスだ。

MNP(携帯電話番号ポータビリティー)によって今は電話番号が変わることはないが、メールアドレスだけは他社に引き継ぐことができない。

自分の場合は宣伝メールしか来ないので大きな問題はないが、『お買い物日記』 担当者には少なからず友人などからメールが届くので、アドレスの変更を周知徹底するのは手間暇かかる。

若い世代であれば携帯キャリアから割り当てられた電話番号もメールアドレスも利用せず、LINEなどのアプリを徹底活用するであろうから、どの会社に乗り換えても大きな問題はないだろう。

そう、前述した長期利用者へのメリットが少ない点と、無料通話アプリの浸透によって電話番号もメールアドレスも必要なくなったことから、今の若い子たちは他社へ他社へと渡り歩き、実質 0円で最新の端末を手に入れてスマホライフを満喫しているのではないだろうか。

しかし、自分は利用していても周りに LINEユーザーの少ない我々の世代は簡単にキャリア変更ができない。

おまけに実質 0円とはいえ、パケットサービスは最高額のつなぎ放題プランで 2年間などいう縛りがあるに決まっているので、1年もすれば 6万円以上の料金を徴収されることになるであろうから我が家のように特殊な使い方をしている場合は決して得にはならないだろう。

ここはやはり auで機種変更することになるだろうから、年末までの約 2カ月間、みっちりスマホ最新機種の勉強をしようと思っているところである。

法事でプチ旅行

今日は法事があったので電車に揺られて一時間程度の町に行ってきた。

JRの駅に着くと駅員さんに乗り換えの接続やら出発時間やら色々と聞くことが多く、時間がかかっている年配の男性がみどりの窓口に。

後ろに人が並んでいるのに気づき、切符の購入は今日ではなく、話を聞きたいだけだからという理由から、窓口を離れて客がいなくなるまで待合室のベンチで待っていた。

気遣いがなく、無遠慮な人であれば、どんなに人が並ぼうと自分の知りたいことを最後まで聞き続けただろう。

人がいなくなり、再び駅員さんと話し始めた男性だったが、また後ろに人が並ぶと窓口を離れる。

実に良い人だと心から感心してしまった。

休日ともあって電車の乗車率は 100%を超えており、探しても空席は見つからなかったが、おっさん一人が荷物を載せて二席を占領している。

通路に立っている人もいるのに、なんと傲慢な奴かと思っていると、車掌さんがやって来て注意され、すごすごと荷物を網棚に上げていた。

その後も荷物は座席に置かぬようと車内アナウンスが流れ、肩身の狭い思いをしたことだろうから、最初から周りに気を遣えば良かったのである。

みどりの窓口で見た男性とは大違いであり、見知らぬ者同士ではあるものの、その男性の爪の垢を煎じて 37杯くらい飲むことを強くお勧めしたい。

座れないのでデッキに立っていると、そこも人であふれ、狭い空間の温度は上昇していく。

そんな中、やけに鼻をグシュグシュさせ、ときおりブーンと鼻をかむ男性がいた。

自分も鼻炎でよく鼻がグシュグシュ状態になるので偉そうなことは言えないが、この狭い空間を風邪ひきさんと共有するのは勘弁願いたい。

帰路であれば帰宅してすぐ手洗いとうがいをすることができるが、法事の寺でうがいするのも、JRの駅のトイレでうがいするのもためらわれる。

ここで風邪などうつされてたまるものかと、なるべくその場の空気吸うのは最小限に控えようと、できるだけ小さく呼吸をして時間を過ごした。

法事のお寺さんは凄くしゃべりの達者な人で、まるで落語家さんのような話に引き込まれる。

坊さんの話しなど退屈なものが多いが、説教ではなく世間話のような実に巧みな話術だったので最後まで興味深く聞くことができた。

その後は会食。

コースで次々に出される料理に満腹感を覚え、昼間から酒を飲んだことも手伝って睡魔に襲われながら会場を後にした。

帰りの電車も混んでいたが、ラッキーな事に 『お買い物日記』 担当者と並んで座ることができ、ゆっくりと目を閉じた瞬間から記憶がなくなって気づいたのは下車する駅の直前だった。

土曜日は何があろうとパスタの日と決めているが、今日は帰宅時間が遅くなったことと、食事の会場で折り詰めを頂いたので、それを晩ご飯に充てて後はのんびりとした夜を過ごしている。