2006年 9月9日
公平負担 公平負担
NHK の番組を観ていると、受信料の支払いに関する案内をしており、そこで 『家族割引』 なるものを紹介していた。 内容は 「親元を離れて暮らす学生や単身赴任の方を対象に、口座振替等の受信料額の 33%相当を割引く制度」 なのだそうだ。 昨年来の不祥事続きで受信料の不払いが広がったので慌てて対策を講じたものと思われるが、開始が今年の 12月からというのが腹立たしい。
それもこれも競争がないからだろう。 携帯電話の家族割引などは他社との競争もあって申し込んだらすぐに対応してくれるが、NHK は 8月から受付を開始しているのにも関わらず適用は 12月からだ。 支払いを拒否する人が増える中、そんな悠長なことをしていて良いのだろうか。
第一、受信料の支払いが法で定められた義務であるかのように言う集金人にも腹が立つ。 若い頃、一人暮らしをしていたアパートに集金人がやってきた。 痩せていて小さな声で話すヤギのようなオッサンだったが、自分は 「観ていない」 の一点張りで支払いを拒否していた。 事実、その頃はパチンコやマージャンに忙しく、ほとんど家に居なかったし、居たとしても NHK など観ることはなかったのである。
そのヤギのようなオッサンは消え入るような声で 「次は他の者をよこしますから」 と捨て台詞を残して帰って行き、数日後に現れたのは体格も良く、目つきの鋭いオッサンだった。 受信料の支払いは法律で定められた国民の義務であるかのように大きな声でまくし立てる。 気の弱い人であれば、びびって金を払うことだろう。 そんな程度では怖がらない自分は 「俺が法律を犯しているなら警察を呼んで来い!」 と言って追い返してやった。
実際にそれは法制化されていないし、義務ではない。 それなのに少し強面 (こわもて) のオッサンを連れてきて強制的に支払わせようとするのは 「消防法で定められたから消化器を買え」 という悪徳商売と大差ないではないか。 番組を観ているのであれば支払いもするが、当時は本当に観ていなかったのである。 屋根にアンテナがあり、テレビがあれば集金の対象となるのはおかしい。
あまりに腹が立ったので、テレビのチューニングを手動で変更し、本当に NHK を受信できない状態にしてやった。 次に集金人が来たときに、実際に受信していないことを見せてやると、「こまりますよ。受信してください」 などとぬかす。ますます押し売りをする悪徳業者と変わらなくなってきた。「うるさい!俺の勝手だ!」 と追い返したが、どうにも腹の虫が治まらなかった。
今は自分がオッサンになり、NHK を観る時間が長くなったので受信料を支払っているが、それでも腹の立つことが多い。 まずは衛星放送の受信料だ。 勝手に放送を始めておいて、料金を支払えとは何事か。 誰が放送してくれと言った。 今のマンションには衛星放送受信のアンテナが設置されている。 テレビには勝手に BS チューナーが内蔵されている。 しかし、勝手に電波を流して料金を支払えとは。
テレビのメーカーがチューナーを内蔵し、アパートやマンションにはアンテナが設置されるのだから NHK は 『スカパー』 や 『WOWOW』 などのように 「受信してください」 と営業する必要がない。 世の中が勝手に受信できる状態にしてくれるのだから、後は 「金を払え」 と言うだけだ。 超ウルトラ殿様商売である。 人件費も営業経費もかからないのだから、受信料は 500円くらいで十分だろう。
今後はデジタル放送で双方向通信が可能になるのだから、技術的には各家庭が受信した時間を把握できるはずだ。 したがって、受信料は従量制、つまり、視聴した時間分だけ料金を徴収する方式に変えたらどうだろう。 そして、まるで官僚組織のように 30以上もの関連団体を作って金を回し合っている体制を改めて組織のスリム化、合理化を進め、受信料を低く抑える努力をしたらどうだろう。
今のままでは公平負担の原則に沿っていないような気がしてならない。
2006 / 09 / 09 (土) ¦ 固定リンク