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2006年 2月04日

食糧危機 食糧危機

  先月の独り言にも書いたが、食の危機が迫りつつあるという記事を読んでいた。 今回は雑誌からの受け売りが大半になってしまうが、自分なりに感じたことを書き連ねようと思う。

  まず危機的状況にあるのは大豆ということだ。 世界の穀物在庫率が 20%を下回り、気候の変動などによって不作にでもなろうものなら日本は大豆を輸入できなくなってしまう。 30年ほど前の 1973年にはアメリカが大豆の輸出を禁止し、豆腐の値段が倍になったこともあったらしい。 いまの穀物在庫率は 17.7%と、当時の15.3%に迫りつつある。

  昨年は世界的な異常気象で水不足の国があったり、アメリカには大型ハリケーンが二度も上陸したりした。 大豆が不作だった場合、30年前と同様に輸入できなくなる可能性も否定できない。そうなったら豆腐、味噌、醤油、納豆など大豆製品の価格が高騰するかも知れない。 この際、多少の不安はあるものの遺伝子組換大豆を日本で栽培したり輸入しなければいけないのではないだろうか。

  すでに値上がりが始まったり量が減っているのはチーズである。 190g だったスライスチーズが 180g になり、さらに卸価格が上昇しているという。 今まで大量消費しなかった中国での需要が伸びて品薄になっているのが原因とされているが、それが大きな要因ではないらしい。 たしかにピザ屋さんなどが増えてチーズの消費も増えているらしいのだが、それよりも大きいのはスキムミルクなどだ。

  中国は土地が広大であり流通網が未発達な土地も多いので、内陸部では牛乳よりも脱脂粉乳を溶かして飲む家庭が多いのだそうだ。 最大の輸出国であるオーストラリアが熟成期間が必要で手間のかかるチーズよりも、バ〜っと粉にしてしまえば良い脱脂粉乳の方が早くて利益率が高いのでそちらの生産を選ぶ。 結果、ますますチーズの生産が減るという悪循環なのだそうだ。

  スケソウダラの漁獲高が減っているので、すり身を利用する竹輪などにも異変がおきている。 紀文の製品は竹輪が 20g 減り、つみれなどは以前より 1個少なくなっているらしい。 もちろん平天も薄くなっており、カニカマなども細くなっているという。 これは価格すえ置きであっても事実上の値上げである。

  BSE、いわゆる狂牛病に対する不安から、ヨーロッパでは白身魚の人気が上昇しているらしく、ヘルシー食品としての付加価値がつくから高い値段で取引される。 日本では練り物製品は特売の対象だったりするので高額で入札できず、ヨーロッパに競り負けてしまって輸入量が更に激減する。

  さらに砂糖の輸入価格も 10年ぶりの高値を記録しているらしい。 最大輸出国であるブラジルでは、政府が同じ原料から生成されるエタノールの利用促進に力を入れているのだそうだ。 ガソリン価格高騰のおり、エタノールを混合させて利用する車が多く、この 10年で 6倍を記録したが、原油価格が下がらない限りはエタノールの需要は今後も拡大するに違いない。

  そんなこんなで様々な食料、原料が危機的状況にある中、日本では相変わらずデフレから完全脱却できず、メーカーは仕入れ価格が上昇しても製品の値上げをできずにいる。 中国、インドなど経済が発展している国が高値で輸入すれば安値しか提示できない日本に物が入ってこなくなるのは当然である。 そして日本の自給率は 40%しかない。 少々乱暴な計算をすれば 4,800万人分の食べ物しかない。

  いつまでも 「高いから買わない」 とか言ってはいられないし、「危ないからアメリカの牛肉なんかいらない」 なんて言ってもいられない。 本当に食糧危機が訪れた場合、「文句ばっかり言う日本になんか売ってやんないもんね〜」 と世界各国から相手にされなくなるかもしれない。 第一、他国に輸出するより自国民を養うのに精一杯になることだろう。

  もしそうなった場合、日本国民の 7,200万人は飢えに苦しむしかないのだろうか。

2006 / 02 / 04 (土) ¦ 固定リンク

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