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2004年 2月28日

モラルハザード モラルハザード

  モラルハザードとは、「倫理の欠如」 と言う場合使われ、「社会全体の利益を考えずに、自分の利益だけを追求すること」 という意味合いを含ませている。 もっと単純には 「非常識」 という意味で使われることが多いが、実際には言葉の持つ意味が違うようだ。

  正確なモラルハザード(Moral Hazard)は、保険関係の用語で、「危険回避のための手段や仕組みを整備することにより、かえって人々の注意が散漫になり、危険や事故の発生確率が高まって規律が失われることを指す」 らしい。 しかし、モラル(Moral : 道徳、常識)が、ハザード(Hazard : 危険にひんする)のだから、完全に使い方を間違っているとも言い切れないように思うのだが・・・。

  そんな訳で、一般的に使われている 「非常識」 に近い意味で、この言葉を引用すると、鳥インフルエンザのウィルスを撒き散らした(かもしれない)京都の養鶏場は、いったい何を考えているのか。 いや、何も考えていないからこそ、アホみたいな対応しかできないのかもしれない。 鶏が 2万も 3万羽も死んでいるのに 「鳥インフルエンザと思わなかった」 とは何事か。 これこそ、まさにモラルハザードである。

  日本、いや、世界全体が神経質になっている時期に、疑わない方がどうかしている。 ましてや、死んだ鶏の数が 10 や 20 ではなく、千とか万の単位であるのに。 そして、素人が育てているのではなく、専門に育てている業者でありながら、異常に気付かないはずがなかろう。 農水省も 「黙っていれば隠し通せるような病気ではない」 と不快感をあらわにしているが、その通りである。

  各社の報道を総合すると、鳥が異常死し始めたのは 20日からで、1日で千羽も死んだという。 24日には家畜保健衛生所職員が調査に訪れたが、大量死には触れずに 「異常なし」 と答えていたらしい。この件が表ざたになったのも 26日の匿名電話がきっかけと言うから、決して自主的なものではない。 その電話がなければ、死んだ鳥を極秘に処分し、何食わぬ顔で現在も出荷していたかもしれない。

  この非常識極まりない対応に、同業者からも強い怒りの声や風評被害を心配する声があがっていると聞くが、それは当然のことだろう。 イオンやダイエーを始めとする各スーパーは店頭から商品を撤去しているらしいが、事態はそれだけでは済むだろうか。 他の流通経路で出荷された卵が飲食店で使われることもあるだろう。 生卵を使う旅館、ホテルの朝食や、すき焼き屋さんも大変である。

  スーパーのイオンは、日本ハムの牛肉偽装が発覚した時、長期間に渡って店頭での販売を見合わせた。 そして、日ハムが役員人事も含めた徹底的な ”反省” をするまで販売を再開しなかった。 今回の件に関しても厳しい対応をすることだろう。 農水省が言っている通り、いつまでも隠しきれる問題ではないのだから、早めに届け出をし、販売店や消費者の信頼を得た方が良かったに違いない。

  このまま社会的信用を失ってしまえば会社の業績は悪化し、最悪の場合は廃業に追い込まれるだろう。 それが嫌なのであれば、今からでも遅くはないから誠実な対応をするべきである。 万が一、人に感染し、アジア圏で起きているように死者が出てからでは遅すぎる。 なぜ届け出が遅れたのか、今後はどのような対応をするのかを明確にするべきである。

  ・・・などと、偉そうなことを書き連ねているが・・・。 自分はと言えば、「肉も卵も断っているから、まあいいや」 などと思っている、まったく自己中心的な奴だったりするのであった。

2004 / 02 / 28 (土) ¦ 固定リンク

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