大阪府摂津市JR千里丘駅周辺密着情報!!

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2003年 3月30日

千里丘見聞録 余話 千里丘見聞録 余話

  先週の駅周辺探索で少し気になったことがある。これは東側に限ったことではなく、西側でも同じことなのだが、個人商店の衰退が激しいように思う。業種によって差は大きいが、昔あった八百屋さん、魚屋さんなど食料品を扱う専門店は確実に減っている。そういった店は時代にそぐわないのかもしれないが、やはり寂しさを感じてしまう。

  昔は小学校の近くに必ず一軒はあった駄菓子屋さんも見かけなくなってしまった。子供はああいう店で買い物を覚えたものである。そこには教師とは異なり誰とでも公平に話をし、悪いことをすれば叱ってくれる ”おっかさん” がおり、買った物の合計金額を計算させ、つり銭を計算させては教育に一役買っていたものである。そこでは勉強以外にも ”社会” が存在していたような気がする。

  小さいながらも食料品から雑貨、タバコまで扱う商店に ”おつかい” に行っては店の人に誉められて成長する子供は今でもいるのだろうか。子供などというのは叱られて育つのではなく、誉められて伸びるものである。現在ではそういう店はコンビニに取って代わられてしまった。マニュアルどおりの接客をするアルバイト店員が ”おつかい” をしにきた子供を誉めたりするとは思えない。本当に寂しい時代である。

  かなり以前のことになるが、駅の西側にあった果物や野菜を売っていた店が閉店になってしまった。千里丘東を探索したときは商店が軒を連ねた一角がごっそりと廃墟になっていた。曜日が悪く、定休日なのかと思い、一軒だけ開いている店の人に尋ねたところ、すべて廃業してしまったとのことだった。街からどんどん活気が失われていくのは住んでいる者にとって寂しい限りである。

  そんな中、どこを歩いていても目にするのがクリーニング屋さんと美容室である。当サイトの周辺情報に登録している美容室は 60 件、クリーニング店は 30 件だが、実際にはもっと多くの店が存在するものと思われる。摂津市の人口は 85,000人(平成 12 年度)で、千里丘駅周辺となると吹田市、茨木市とも隣接しているため正確には分からないが 10,000 人程度なのかもしれない。

  その半数(5,000人)が女性とし、一カ月に一度は髪を切ると仮定しても 60 軒で割ると一軒当り 83 人程度、一日平均では 2-3 人になってしまう。たとえ人口が倍だったとしても一日 5 人程度のお客さんでやっていけるのだろうか。こんなことは余計なお世話で、閉店になる店が少ないことからも経営は成り立っているのであろうが、不思議でしょうがない。

  不思議と言えば、千里丘駅周辺は他の駅周辺と異なり、消費者金融が存在しない。駅の西側で知っている限りではブックオフと同じ敷地内にアコムの無人くんが設置されているだけである。今はどこの駅からも消費者金融のカンバンが見えたりするものであるが、千里丘駅の近くで見かけないのはなぜだろう。業者に建物を貸す人がいないのか、何らかの理由で業者が進出してこないのか。

  消費者金融と言えば、今ではすっかり無人契約機が定着したようである。業界大手から導入が始まったが、窓口だけでの対応よりも確実に利用者が増えるのだそうだ。利用者は人と接するよりも気が楽なのでお金を借りやすいのだろう。自動契約機が出はじめた頃、仕事仲間と 「あの中には人が入っているに違いない」 などと陰口を言っていたものだが、実はそれが ”事実” だった。

  あの業界も淘汰が進んでいるようで、強い企業はより強くなり、弱い企業は衰退の道をたどり強いものに吸収されている。他社の軍門に降るのを潔しとしない企業は利用者の拡大を図らねばならない。ところが今は自動契約機の利用が圧倒的であるため、自社でも機械を導入しなければならないが、それが高額であり、維持費も必要になるため、筐体(外側)だけ用意して実際の処理は人間がやっているのだそうだ。

  利用したことがないので正確には分からないが、機械の前で必要な操作をすると中の人間が機械に負けないスピードで処理する姿を想像すると笑いが込み上げてくる。しかし、顧客獲得のために ”人知れず” 苦労している社員がいるのかと思うと笑ってもいられない。どの業界も大変そうである。

  話はもとに戻って千里丘駅周辺には大きなマンションが何棟も建設され、人口も増加しているものと思われる。駅前の再開発も早く進み、新しい店が開店するなどして 「周辺に活気が戻ってくればいいな〜」 などと、しみじみと感じてしまったのであった。

2003 / 03 / 30 (日) ¦ 固定リンク

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