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2000年10月15日

イヌやネコのいる風景 イヌやネコのいる風景

 動物は爬虫類以外はなんでも好きだが、とくに四つ足がよろしい。子供の頃は前足、後ろ足とも大きく「ぬいぐるみ」みたいだ。

 この界隈にはイヌやネコが多く、色々と楽しませてくれる。最近は見かけなくなってしまったが、お年寄りに連れられたポメラニアンが夏の暑い時期にスポーツ刈りのように毛を短くされているのを目撃した時には、指をさして「わっははは」と笑ってしまった。

 かなり前に引っ越してしまったが、目の前で飼われていた白いイヌはとてもやる気の無いイヌで、家の壁にもたれかかって妙に色っぽい格好をしていたり、低い塀にあごをのせて舌をベロ〜ンと出している姿を正面から見せてくれたりしていた。

 中でも最も気に入っているイヌは近所に住む黒いヤツ。どうやら女の子らしいのだが、その姿はりりしく、とても美しい。出勤途中に会えると「今日は良いことがある」と思えたりする。飼主である”お父さん”と散歩している時はつながれている紐もゆるんでいて、二人が同じペースで歩いている。これが”お母さん”や”お姉さん”が相手だと、紐をグイグイ引っ張っていく。やはりイヌにとって”ご主人様”は絶対らしい。

 その他にもたくさんのイヌと出会えるが、唯一の”馬鹿イヌ”を除いては、皆それぞれに可愛い。何より嬉しいのは変な服を着ているイヌがいないことである。イヌに服を着せて散歩しているのを見ると、あのイヌは本当に喜んでいるのだろうかと疑問に思ってしまう。

 以前はあまり好きではなかったネコも、最近はすごく可愛く思える。人懐っこいネコ、絶対に人に媚びないネコ、人の目を気にせずマイペースで生活しているネコと、とても個性的なんである。

 夏の暑い時期にエアコンの室外機から出てくる風を扇風機代わりにして涼んでいるネコあり、木陰で夢心地になっているネコあり。会社の行き帰りにわりとよく会うネコ達は色々と楽しませてくれる。人が嫌いなネコは見つかりたくないのか顔だけを草むらや植木の陰に突っ込んでいるのだが、首から下は丸見え状態なので「見えてるよ」と言ってやると、ピューっと逃げていく。

 上述の黒いイヌの近くに住むネコは妙に人懐っこい。ある日、会社帰りにその近所を歩いていると、茶色のネコが「ニャゴニャゴ」言いながら隣を歩いている。「どうしたの?」とたずねると「ウニャニャッ」と言いながらタタッと走り、飼われている家のドアの前で「ニャ〜ン、ニャ〜ン」と文字通りの猫なで声で鳴いている。

 どうやら家に帰るのが遅くなり、入れてもらえないらしい。いくら可愛い声で鳴いてもドアを開けてもらえず、恨めしそうな顔でこちらを見るのだ。そんな目で見られても、その家に「ネコが困ってますよ」とたずねる訳にもいかず、「明日からは早く帰るように」とネコに言い聞かせてその場を去ったのである。

 それでも懲りない性格らしく、その後も何度かドアの前で眉間にシワを寄せて困っている姿を見かけている。会社の帰りが遅くなった日にはネコの集会に参加している姿も目撃した。

 今は借家のためペットを飼うことはできないが、近所にたくさんのイヌやネコがいるため、なんとなく幸せな気分に浸っている毎日である。

2000 / 10 / 15 (日) ¦ 固定リンク

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