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2002年 3月31日

電車内人間模様 電車内人間模様

  通勤の電車内は読書の時間に充てているため、車窓から見える景色の変化に気付かないことも多い。この時期は桜も咲いているのだろうから見てみようと思っているのだが、本を読んでいて 「あっ!」 と思った時には桜の木があるポイントをすでに通過している。ひどい時は大阪駅に着いてから見るのを忘れていたことに気が付くようなありさまである。そんなこんなで目的の桜の開花はまだ確認できていない。

  電車内でずっと本を読んでいるわけだが、活字を目で追うのに疲れたり文書の区切りで顔を上げると車内の乗客が目に入る。そこには様々な人がいて、それぞれの時間の過ごし方をしている。楽しげに会話をする人、ぼ〜っと外の景色を眺めている人、ただひたすら惰眠を貪っている人、もの思いにふけっている人など本当に様々なのである。

  最近は携帯電話を手にしている人が多い。車内アナウンスで電源を切るように呼びかけても効果はないようだ。以前にも書いたが会話をされると気になるが、メールのやり取りであればうるさくないので個人的には気にならない。一心不乱に親指を動かすその姿も人それぞれで、多くの場合は無表情で機械的に操作をしているのだが、たまに作成している文書の内容が顔に表れている人もいる。

  よほど楽しいメールのやり取りをしているのか、ニコニコしながら操作している人もいれば、やけに難しい顔をしている人もおり、「仕事関係のメールだろうか?」「彼女と喧嘩でもしたのだろうか?」 などと余計な心配をしてしまう。ある日見かけた若い女性は、左手に荷物を持ち、右手に携帯電話を持って親指を動かしていた。わりと綺麗な女性で、ドアに寄りかかりながら携帯電話を見つめる姿も様になっていたのだが、何かを思い出したように顔を上げたと思ったら携帯電話のアンテナでコリコリと頭を掻いた。両手がふさがっているのは分かるが、その姿があまりにも可笑しくて 「ぷっ」 と吹き出してしまった。

  その他にはウォークマンを代表とする携帯型の音声再生機で何かを聴いている人も多い。以前のものとは違い、音漏れ防止の技術が進んでいるのでチャカチャカ聞こえてこない。いったい何を聴いているのか、目を閉じておだやかな表情の人もいれば、目を開けて一点を見つめている人もいる。中年の男性で英語のテキスト片手に必死に聴き入っている人もいた。どうやら英会話の勉強をしているらしい。

  何を聴くのかも人それぞれだが、ある日見た若い男の子はハードな音楽を聴いているらしく、目を閉じて足でリズムをとっている。電車内だということを忘れているのか、頭も上下に揺れてきてノリノリ状態になってきた。その動きに目を奪われ、何人かがその男の子を見ていたのだが、その ”ノリ” はだんだん激しくなってくる。曲が盛り上がってきたと思われるその時、ついにその男の子が歌いだした。しかし、すぐに電車内ということを思い出したらしく、目を開けて周りを見ている。何人もに見られている状況に気付いた彼は一瞬戸惑ったようだったが、再び目を閉じてそれからは動かなくなってしまった。

  出勤時の電車では寝ている人もかなり多い。下を向いたまま動かずに寝ている人、上を向いてポカ〜ンと口をあけて寝ている人、体がガックンガックン揺れているひとなど、寝かたも人それぞれである。ある日見た光景はとても面白かった。座席の端に若い女性が座り、その隣りに中年の男性、その次に若い男性が座っていた。中年の男性は新聞を読んでいたのだが、両隣の若者が寝ていて体が揺れるものだから、とても読みにくそうにしている。

  その内の一方が若い女性だと気付くと、寄りかかってきても少し嬉しそうにしていたのだが、寝ている二人は人に寄りかかっては態勢を直し、また人に寄りかかるということを何度も繰返していた。しかし、そのうちに熟睡モードに入ってしまったようで、二人とも中年の男性の肩に頭を乗せたまま動かなくなってしまった。あきらめた男性はパサッと新聞を閉じ、上を向いて目を閉じてしまい、そして三人とも動かなくなった。

  車内の過ごし方は色々あるが、やはり一番多いのは新聞、雑誌などを読んでいる人である。これも以前の雑感に書いたが、白髪頭の恰幅の良い ”おじさま” が少年マガジンなどを読んでいたりしている。それはどうか思うこともあるが、何を読もうと個人の自由であるわけである。それでも若い女性が経済新聞を読んでいる横で中年というか初老の男性がマンガを読んでいる姿を見るとやはり違和感がある。

  その他にも英字新聞を読んでいる人、小説を読んでいる人など、これも様々であるが、帰りの電車ではスポーツ新聞を読んでいる人が圧倒的に多い。スポーツ紙に書いてある記事など本当かどうか疑わしいものが多いと思うのだが、おじさん達は真剣に読んでいる。中には真剣な顔をして風俗関係の記事を読んでいる奴もいたりする。途中の駅で女性が乗車して近くに来たりするとあわてて他のページを開いて、同じように真剣な顔をしている。

  たまに英語の小説(ペーパーバック)を読んでいる人も見かけるが、ファッションで持っているだけと思われる人もいる。なぜならば何分たっても同じページを開いていて一向に読んでいる風ではない。それでも、人それぞれ興味のある小説や記事に目を通しているわけだし、人に迷惑をかけているわけでもない。同じく読書をしているこちらにとっては車内が静かなのはありがたいことだ。

  そんな静寂を破るのは平気で携帯電話で話す奴、酔っ払いのオッサン、数人で乗り込んでくるオバハンである。電話での会話は声の大小に関わらずとても気になり、読書の妨げになる。酔っ払いオヤジは声がでかいので、やはり集中できない。しかし最悪なのはオバハン同士の会話である。それもオバハンが 3人、4人になると、とても側に立っていることができない。耳の奥がぼわ〜んとしてくる。

  もう何年も前の話になるが、出勤時の電車の同じ車両にオバハンの団体が乗っていた。同じ車両でも違う入口だったので、こちらとしてはまだ ”マシ” だったのだが、それでもかなりのボリュームで声が聞こえてくる。これから旅行にでも行くのかオバハン達のテンションは朝から最高潮に達しているらしい。「まぁこんな日もあるわい」 と読書を諦めてぼんやりと窓の外を眺めていると、とてつもなく大きな声で 「あんたらうるさい!!」 という別のオバハンの声が響き渡った。

  救世主現る・・・と思ったのだが、そのオバハンの怒りはなかなか収まらない。「新聞読んだり、みんな勉強しているのに!」 と怒っているその声を聞いて、マンガを読んでいたオッサンがあわてて本をカバンにしまったり、何事かと遠くの出来事を見るために車内を移動する奴がいるわで車内は騒然としている。

  結局は大阪駅までオバハンの怒りは収まらず、4駅ほど怒鳴り散らしていたので読書を続けることは不可能に終わってしまったのだった。

2002 / 03 / 31 (日) ¦ 固定リンク

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