2003年12月28日
2003年の終わりに 2003年の終わりに
早いもので、今回が今年最後の雑感である。 ざっと見返してみると、過去 3年以上もの間、この雑感を書き続けている。 我ながら 「よくネタが続くな〜」 と感心してしまうが、同じようなことを何度も書いている場合もあるので、それほど話題性に富んでいる訳でもないようだ。 小さなことにグズグズ言ってみたり、単なるオッサンのボヤキのようである。 さて、今年の締めくくりの雑感であるが・・・。
自分にとっても、景気も、世界情勢も、なんだか冴えない一年だったような気がする。 3月に始まったイラク戦争 「イラクの自由作戦」 は、イラクがぜんぜん自由にならないまま、年を越してしまうことになった。 フセイン元大統領こそ生きたまま拘束されたが、決してそれが終わりではない。 未だに発見されていない大量破壊兵器は本当に存在し、フセイン元大統領は、その隠し場所を白状するだろうか。
ドラム缶 1本で、何万人もの人を死に至らしめることができる科学兵器もあり、広い国土に隠されたドラム缶などフセイン氏を見つけるよりも難しいに違いない。 その捜索はアメリカに任せるとして、日本ができることと言えば、イラクの復興を手助けすることくらいだろう。 そういう意味からは、自衛隊派遣に賛成である。 ただし、それを決定するまでのプロセスがいただけない。
小泉首相も記者会見で 「説明責任は果たした」 としているが、訳の分からない議論で決定された内容を国民に伝えるのではなく、「こういう事情だから自衛隊を派遣したい」 と事前に説明し、国民の理解を得てから派遣を決定すべきだったと思う。 日本は金にものを言わせた ”バラ撒き外交” が得意なのだから、今回も数兆円のお金をアメリカに提供するのではなく、そのお金で現地復興の作業員としてイラク人を雇用した方が感謝されるに違いない。
4月 7日は 『鉄腕アトム』 の誕生日だったが、マンガの世界で描かれているほど人類の科学は発達しなかった。 二足歩行まではできていて、つい先日には走ることも可能なロボットも誕生したが、アトムのように空を飛び、自分で考え、自分なりの意思を持つまでに至っていない。 これだけ科学技術が発達しているのだから、アトムが誕生するのも、それほど遠くない未来なのかもしれないが。
最近の 『管理人の独り言』 に 「駅構内を改装した JR 西日本は先見の明があるのかもしれない」 と書いたが、先見の明がある人は沢山いるようだ。 ヨーロッパで圧縮空気で走行する自動車が開発された。 日本、アメリカのメーカーが、水素を核とする燃料電池車の開発に凌ぎを削っているのをよそ目に、独自技術の開発を進めていたわけだ。
燃料電池車は 1台数億円もするが、圧縮空気車は数百万円での発売が可能なのだという。 おまけに圧縮空気で走行するため、完全なる無公害である。 さらに、それが来年にも量産が可能だというから、日本、アメリカの自動車メーカーが受けた衝撃は、計り知れないことだろう。 その車が消費者に受け入れられ、本格的に普及するかは分からないが、世界のビッグ 3 も足元をすくわれるかもしれない。
つい最近、アメリカで BSE(狂牛病)に感染した牛が見つかり、マクドナルドや吉野家、牛角を展開する会社の株が、それぞれ制限幅いっぱいまで値下がりした。 そこまでであれば、投資家の行動とすれば当然のことだと思われるが、それらの消費者が流れるとの予想から回転寿司チェーンの株が値上がりしたそうだ。 投資家はそこまで読むのかと感心してしまった。
本格的な冬の到来で、手袋などが売れているそうだが、今年は指先のない手袋が売れ筋商品になっているそうだ。 昔の職人さんや、新聞配達の人が防寒のためと、指先の感覚が必要だという理由で、指が途中までしかない手袋を使用していたが、それが若い人の間で流行している。 答えを聞けば 「なるほど」 なのだが、その理由は 『携帯電話の操作がしやすい』 である。
東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の全域でディーゼル車に対する規制を設けたり、トラックの時速が 90km までしか出せないスピードリミッターの導入などで、岐路に立たされているのが宅配も含めた運送業界だが、逆にそれが追い風になっているのが鉄道輸送である。 過去何年も赤字続きだった JR 貨物が、過去最高の経常利益を見込んでいるそうだ。 鉄道輸送にかかせないコンテナは、計画の倍以上も製造しているのに、それでも足りなくなるほど需要があるらしい。
先見の明がある人は、上述した回転寿司チェーン、手袋のメーカー、JR 貨物やコンテナの製造をしている会社の株を、すでに買っているのだろう。 自分のように結果を聞いて 「へぇ〜」 と感心しているようではいけないのである。 世の中の先の動向を見て取る ”目” や、情報を仕入れる ”耳”、先読みできる ”感覚” を養わなくてはいけない。
何年も前から開発している世の中になかったシステムが完成し、その利便性を世に問う日が近づいて来た。 来年は、自分にも多少なりとも先見の明があるのか、その成果を問われる年でもある。 来年末の雑感には 「良い一年だった」 と記せるよう、努力すると誓いながら今年の雑感を終えようと思う
2003 / 12 / 28 (日) ¦ 固定リンク