2006年 2月25日
楽しむ 楽しむ
まだ男子回転でメダルの可能性が残っているものの、24日(13:30)現在において日本のメダルは女子フィギュア荒川静香選手が獲得した金メダル一つという残念な結果に終わろうとしている。 残念な結果ではあったにせよ、期間中は様々な冬のスポーツを見ることができて十分に楽しむことができた。
見ているこちらが楽しむ分には何の問題もないのだが、近年のオリンピックに出場する選手のコメントは大いに気になるところである。 開催国への出発前、「頑張ってきてください」 とか 「活躍を期待しています」 などという応援メッセージに対して 「楽しんできます」 と応じる選手のなんと多いことか。
戦時中ではないのだから 「お国のために」 などと応える必要こそないのだが、個人が勝手に楽しむものを応援したりはしたくない。 「楽しんできます」 という言葉の裏にはプレッシャーから逃れようとする心理もあるのだろうが、「自分は楽しんでくるだけだからメダルなんて期待しないでね」 と受け取ってしまう自分はひねくれ者なのだろうか。
たくさんの人に支えられ、スポンサー企業にお金を出してもらい、日本国民の期待を背にオリンピックに向かうのだから、もう少しまともなことを言えないのだろうかと思ってしまう。 「必ずメダルを獲って来ます!」 と宣言して果敢に挑戦し、玉砕されたり自爆したりする選手の方が観ていて気持が良い。
メダルに手が届かなくても 10位までに入賞した選手が 「力を出し切りました」 とか 「精一杯やった結果なので満足しています」 とコメントするのは理解できる。 しかし、結果がさっぱりだったのに 「楽しめました」 と応える選手が多い。 結果が振るわず悔し涙を流す選手には 「4年後も頑張れ」 と応援する気持にもなるが、あっけらかんと 「楽しかった」 と言われると応援していた自分がアホに思えてくる。
「楽しんできま〜す」 とニコニコして出かけ、華やかな開会式に参加し、他国の有名選手を間近で見学し、自分の結果がボロボロでも 「楽しかった〜」 とニコニコして帰ってくるような者は 「二度とオリンピックに出場しなくてよろしい!」 と言ってやりたい気分になってしまう。
無論、自分にはできないようなトレーニングや練習を積んで代表権を獲得したのだろうから肉体的にも精神的にも立派な人たちであるのだろうが、発言を聞いている分には自己満足さえ得られれば良いという個人主義、利己主義的な人種に思えてならない。
こんなことをブツブツと言っている昭和生まれの男は、選手たちにとって単なる小うるさいオッサンでしかないのだろうが、なんだか気分がスッキリしない二週間なのであった。
2006 / 02 / 25 (土) ¦ 固定リンク