2001年 5月20日
いっちろ〜 いっちろ〜
日本プロ野球の TV中継視聴率が下降線の一途をたどっているらしい。サッカー、K-1、ゴルフなどなど、ファン層は違えど趣味や興味が多様化した結果だと想像できる。
時代は異なるが、昔は「相撲」、「プロレス」、「プロ野球」が絶大な人気を誇っていたと聞く。それぞれには「大鵬」「力道山」「巨人」という人気者(チーム)が存在し、みんなが TVの前に釘づけになって応援していたのであろう。
「絶大な人気」と言っても、他のスポーツ中継がなかったため、それしか見るものがなかったとも言える。現在のように様々なスポーツが TV中継されるようになると、よほどのスポーツ好きでない限りすべてを見ることは難しい。
最近では野球をしている子供も見かけなくなってしまった。小学生などは野球よりもサッカーをして遊ぶことが多いらしい。自分が子供の頃は、あたりが暗くなるまで野球をしている仲間や学校が休みの日曜日でさえ野球をするために集まってくる仲間がいた。
近所の小学校を見てみると、学校が終わった後や休日に野球をしている子供がいない。野球少年だけではなく校庭に”子供”そのものがいない。みんな塾通いをしているのか、家で勉強をしているのか、土ぼこりの中で遊んでいる子供を見かけることがなくなってしまって少し寂しい気がしている。勉強も大切かもしれないが、仲間と遊ぶことだってとても大切だと思うのだが・・・。
プロ野球に話をもどすと、日本のプロ野球への興味が薄れていく中、アメリカの野球「ベースボール」への関心は高まっている。野茂のメジャー進出をきっかけに次々と日本のプロ野球選手がメジャー入りし、その活躍が TVで紹介されている。
今まで野球(ベースボール)に興味がなかった主婦層にまで浸透し、「セーブ」はどういう条件で記録されるのかなどという質問が TV局に寄せられるようになったそうだ。これも野茂や佐々木効果だと思われる。NHKの BSで中継される大リーグ中継も視聴率が上向いているらしい。
TVやラジオのニュースでも試合の途中経過を伝えることが多くなった。今もっとも多く聞くのは「イチロー」の名前である。今日(01/05/19)現在で 23試合連続安打(ヒット)を記録している。職場の仲間と話していたのだが、なぜあんなにヒットを打つことができるのだろう?我々とは身体能力が違うのであろうが、その違いはどこからくるのだろうか。
もちろん、本人の努力による部分も大きいのであろうが、元来から備わっているセンスが絶対的なのであろうと思う。凡人がイチローと同じトレーニングや努力をしても同じ結果になるはずがない。身体の能力や動体視力など天性のものがあるに違いないと思うのである。
伝えられるところによると、父親からスパルタ的教育を受けたらしい。まるで昔のアニメ「巨人の星」に出てくる一徹、飛雄馬みたいだ。イチロー本人は野球が好きで好きでしようがなかった訳でもでないらしい。
「好きこそ物の上手」というが、好きではないことで一流であるからこそ、プロフェッショナルに徹する事ができるのかもしれない。大好きなこと=趣味の延長でやっていると「甘え」や「おごり」が出てしまうことがある。趣味の延長ではなく、職業としてプロ野球を選択した(できた)ことがイチローにとっての幸運だったのかもしれない。
人には見せない努力も、辛いトレーニングも職業として選択し、生きる道と決めたからこそ続けられるのではないだろうか。
イチローだけではなく、野茂、新庄、その他の日本人メジャーリーガーの活躍よって「サンシン」や「サヨナラ(ホームランやヒット)」が共通語になりつつある。今後もベースボールの本場アメリカで日本人が活躍してほしいと思う反面、みんながメジャーを目指し、日本のプロ野球が衰退してしまうのではないかと、ちょっと心配している今日この頃である。
2001 / 05 / 20 (日) ¦ 固定リンク