2001年 3月18日
粗大ゴミ 粗大ゴミ
いよいよ来月から家電リサイクル法(正式名称:特定家庭用機器再商品化法)が施行される。冷蔵庫、テレビ、洗濯機、エアコンを回収してもらうのにお金を払うことになる。
その影響なのか 3月に入ってからは、それらの家電の売り上げが伸びているらしい。いわゆる駆け込み需要というやつで、無料で引き取ってもらえる今のうちに買い替えてしまおうという魂胆である。メーカー各社もそれを狙ってか、乾燥までできる洗濯機、フィルタの掃除がしやすいエアコンなど新製品が目白押しだ。デジタル放送の恩恵からテレビも売れていると聞く。
今までは、買い替えの際に古くなったものは粗大ゴミとして引き取ってもらうか、販売店側が配達の帰りに持ち帰ってくれた。一般家庭から出る粗大ゴミは次々と海に運ばれて捨てられる。「埋め立て」といえば聞こえはいいが、結果的には海に捨てていたわけだ。
財政難から今までのように公共事業として埋め立ての拡張が難しくなってきたことと、自然保護などの環境への意識が高まってきたため、家電リサイクル法の施行に至ったのだと思われる。つまり、政治と消費者の利害関係が微妙な形で一致した結果なのではないだろうか。
結果的には良い事であるから文句はないが、そんな中で世界最大級(130t)の粗大ゴミが海に廃棄処分されようとしている。それは、世間を騒がせている宇宙ステーション「ミール」である。
旧ソ連とアメリカの威信をかけた宇宙開発競走で、その技術力を誇示していたミールが寿命と役目を終えて文字通りの”海の藻屑(もくず)”になろうとしている。そのこと自体には感慨深いものがあるのだが、最終段階に至るまでのプロセスに問題がある。
計画が次々と延期され、今日(03/17 23:00)現在で 3/22(木)の予定になっている。計画をより正確にするための延期なら良いのだが、その原因の多くがトラブルによるものだから不安が増すばかりだ。
プロジェクトの責任者が 1991年 2月に宇宙ステーション「サリュート7号」の落下計画に失敗し、チリとアルゼンチンの国境付近に”落としてしまった”時と同一人物なのが恐い。まして、最近の報道で「責任者の一人が現場を放棄して」逃げてしまったと伝えられている。逃げたのが 1991年当時の責任者かは不明だが、そんな事を聞くと責任を持つことができないほど重大な問題があるのかと考えてしまう。
旧ソ連(現モスクワ)も財政難のため、逆噴射に必要な燃料を「ミール」に補給できなかったこともあり、残されたわずかな燃料で逆噴射して飛行速度を調整し、地球に落下させようとしているらしいが、ここまで計画が延期されても制御が可能なのだろうか。 毎日 2Km(2000m)も地球に近づいているのに計画は間に合うのだろうか。などなどと、考えれば考えるほど不安になってしまう。
地球の引力に捕らえられてしまったからには「いまさら」でしかないが、地球人は海を平気で汚すくせに、ミールを地球に落下させるのではなく、なぜ宇宙の果てに飛ばさなかったのかと疑問に思ってしまう。自然や環境は宇宙的規模で成り立っていることも事実なので、安易に考えてはいけないのかもしれないが、地球に落とすリスクよりも外に飛ばす方がリスクが少ないと個人的には思う。
各国が協力し、最新鋭のカメラやその他の設備を搭載して宇宙探査に役立てることもできたはず(あまりにも素人考え?)だと思う。今となっては何を思っても後の祭りなので、ただ利己主義的に「日本にだけは落下しませんように」と願うだけである。
現在予定されている落下の軌道上で、それを見るためのツアーもあるわけで、みんな”お気楽モード”であろうからグズグズ考えているのは自分だけなのかもしれない。しかし、そのツアーも落下計画がコロコロと変更になっているので、いつ日本を出発すれば良いのだろう。
・・・などと、余計なことを考えている自分も、結局は「お気楽」なのかも知れない。
2001 / 03 / 18 (日) ¦ 固定リンク