2003年 1月12日
必需品 必需品
なんだか風邪気味である。年末年始にはあれだけ休養をとり、栄養補給も万全だったはずなのに 2-3日前から鼻がグズグズしている。仕事を休むほどではないが、鼻で息ができないのでボ〜っとしてしまうことが多い。三連休ということもあり、気がゆるんでしまったのだろうか。
かなり以前に勤めていた会社で風邪が大流行したことがあった。休暇をとっている社員が多かったため、社長が怒り 「風邪で休むなんぞなっとらん!気合で治せ!」 と朝礼で発言してみんなのヒンシュクをかっていた。確かに気が張っていれば風邪をひかないようだが、ひいてしまったものは気合で治るはずもなかろう。思いやりのない発言は社員の士気にも関わるので控えた方が身のためである。
久々に風邪気味になってしまったが、それでもずいぶんと丈夫になったものである。子供の頃は体が弱く年中と言っていいほど風邪をひいていた。おまけに喘息持ちだったものだから、いつも病院に通っていたものである。子供の頃は薬が必需品だったわけだ。
病院通いが多く、注射ばかりされていたので両腕がアザだらけになってしまい、太ももにまで注射されていた。今でも太ももの一部がへこみ、エクボみたいになっているので相当な量の注射をされていたのだろう。喘息持ちだったため自宅にも吸入器があった。何分程度か忘れてしまったが、長い時間をかけて吸入器の前で 「ス〜ハ〜」 するのが嫌だったのを覚えている。
夏の体育の授業でプールに入るのも風邪で休んでばかりいた。あまりにも休むことが多いので先生や同級生からは 「泳げないから休むのだろう」 と疑いの目で見られてしまった。得意というわけではないが、平泳ぎだってクロールだって実際はできるのに疑われるのはとても悔しかったが、意地になってプールに入ろうものなら鼻水はドクドクでてくるし、呼吸が苦しくなるほど咳も出てしまうのであった。
とにかく病弱だったため両親とも大変心配したらしいが、それから数年後にガキ大将として君臨し、同級生から恐れられることになろうとは当時の親は知る由もなかったのである。近所の人たちも最初は 「元気になって・・・」 と目を細めていたようだが、あまりの蛮行に今度は目くじらを立てることになってしまった。
「元気が一番」 と親バカをまる出しにしていた両親も、度重なる同級生の親や近所からのクレームで事の重大さに気付き 「大人しくするように」 と説教をはじめたが、自分は親に叱られたくらいでメゲル ”玉” ではなかった。一向に素行が良くならないため、業を煮やした親は 「言うことを聞けないなら出て行け!」 と、きつく叱ることになる。
そう言われると反省するどころか 「ふん!」 と本当に家を出てしまい、親が心配するまで何時になっても帰らないという性格だったため、最後には親が根負けしてしまったらしい。外が暗くなっても帰ってこないので最終的には探しに出かけ、やっと見つけても膨れっ面をしているところを 「帰ろうね〜」 と猫なで声で説得することになってしまう。今から思えばとんでもない子供だったようである。
今では数年に一度くらいしかひどい風邪をひかなくなったので当時から考えると本当に丈夫になったと思う。何年か前に風邪をひいた時、同じ部署に勤めていた女性社員に 「そんなとき親から 『くび巻いて寝え!』 って言われませんでした?」 と聞かれた。何を言っているのか分からず 「はぁ?」 と言うと、風邪をひいた時は首にタオルを巻いて暖かくして寝るのが一番なのだという。
これは良いことを聞いたと早々に試してみると、これがたいそう気持ち良い。そのおかげなのか風邪も順調に回復したのだが、首にタオルを巻くのがやめられなくなってしまった。寝る時はもちろん、起きているときも室内では首にタオルを巻いている。冬場は暖かくてやめられないのももちろんなのだが、夏場も汗拭きにかかせなくなってしまった。
そんなわけで、今となっては一年を通して首にタオルが ”必需品” になってしまっているのであった。
2003 / 01 / 12 (日) ¦ 固定リンク