2001年 4月08日
限度 限度
ものには限度というものがあり、何ごとも度が過ぎるとよくないのである。
分かってはいるのだが、タバコを吸いすぎてしまうことがよくある。典型的なのはパチンコ、マージャンをしていた頃で、いつもは 1日 20本程度なのに 30本も 40本も吸ってしまう。吸いすぎているため、これ以上吸っても美味しくないのが分かっていても、ついつい火をつけてしまうのである。
タバコそのものより、マージャンなどもやり過ぎはよくない。徹夜で 10時間以上続けたり、4日も 5日も続けていると、寝ようとして目を閉じてもマージャン牌が見えてしまう。そういう時に限って高い役がテンパイしているものだから興奮して寝られなくなってしまったりする。
一時期TVゲームの「テトリス」ばかりやっていた頃も同様で、目を閉じると次から次にブロックが降ってくる。また、そういう時に限って自分に都合のいいブロックが降ってくるもので、いつまでたってもゲームが終わらない。積み上げられたビデオテープの山を見ても「あの隙間を埋めたら消えるのに」などと考えてしまう。
酒の飲みすぎもよくない。体に悪いということもあるが、人に迷惑をかけてしまうからだ。幸か不幸か深酒をしても、多少の自制心は残っているのと、記憶をなくしたことがことがないため、絡んだり暴力をふるったりして迷惑をかけたことはないし、仕事上の付き合いの席でも失敗した事はない(・・・と思う)。声が大きくなり、嫌がられたりしているのかもしれないが、たぶんその程度だと思っている。
食べすぎもよくないのだが、つい腹が割れそうになるくらい食べてしまう。普段はそれほど食べる方ではない。朝は茶わんに半分程度、昼、夜も茶わん一杯で満足している。食べ過ぎてしまうのは”麺類”の場合で、2.5人前は一気に食べてしまう。”満腹信号”が脳に伝わる前に食べてしまうものだから、食後しばらくの間は動けなくなってしまうことがよくある。
暴飲暴食やタバコの吸いすぎは健康上も良くないのは頭では分かっていても、”欲”には勝てないようである。適度な運動は健康のためになるが、運動だってやり過ぎは良くないのである。たまに、運動のしすぎで亡くなったり、救急車で運ばれる人がいるが、「なぜそうなってしまうんだろう」と不思議に思う。そうなる前にやめることができないのだろうか。
いろいろと度が過ぎると良くないことはあるが、自分の意志では避けられないこともある。かなり前の話になるが、大きな会館の厨房でバイトしていたことがる。普段はその会館の職員の昼食や夕食を作っているだけなのだが、会合などがあると何百人分もの食事を用意することになる。
ある日の会合は参加者 500人で、昼食は天丼だった。天丼には天ぷらが 7品必要になるため、500人前ということは 3500個の天ぷらを揚げなくてはならない。前日に仕込みはしてあるため、当日はただひたすら天ぷらを揚げることになる。午前 4時から作業を開始し、昼に間に合わせることになった。丼にご飯をよそう係、盛り付けする係、丼汁をかける係、天ぷらを揚げる係、などなどを決めていく。その時は不幸にも天ぷらを揚げる係に任命されてしまった。
天ぷらの衣の準備などを済ませ、実際に揚げ始めたのは 5時頃だったと思うが、3500個すべてを揚げ終えたのは 11時ごろだった。6時間もの間、ひたすら天ぷらを揚げ続けるのは地獄のようだ。悪い事に季節は夏。厨房の温度は 40度を超え、火の近くはそれ以上になる。その温度と油の匂いで気分が悪くなり、何度も倒れそうになった。
それでもなんとか 500人前の天丼は完成させるこができた。時間もお昼になったため、厨房内で”まかない食”を食べる事になったが、とても喉を通る状態ではなかった。一段落し、夕食の作業に取り掛かろうとメニューを確認するとそこには「とんかつ」と書かれてあった。
・・・悪夢のようなその日から 2、3日は、食事をとることができなかったのは言うまでもない。
2001 / 04 / 08 (日) ¦ 固定リンク