消せない記憶

パラオ、ポーランドなど親日国は多い。

第一次世界大戦後に日本の統治領になったにも関わらず日本を好きでいてくれるのはパラオだが、それは日本人が現地の人に対し熱心に教育を行い、住環境整備とともに多数の学校や病院を建設したことと、第二次大戦で敗戦の色が濃くなり、いよいよ日本統治領、大日本帝国軍の前線基地でもあったパラオにアメリカ軍が攻撃を仕掛けてくるという段になると島民 899名全員を安全な場所へすみやかに避難させたことで、この中からひとりの犠牲者も出さなかったという歴史があるからだ。

ポーランドは第一次世界大戦後、ロシアに残留したポーランド人の孤児たちを日本赤十字社が救済したことが親日の理由らしい。

その他にも日本を好きでいてくれる国は多いが、その多くは戦争にまつわる話が主で、日本人に対して良い印象、記憶が残っているからだ。

昔のことを今でもありがたく思っていてくれる。

自分たちに良くしてくれたと今でも感謝してくれている。

・・・。

それを考えると、いつまでも日本を恨み続ける国があっても当然か。

中国、韓国の内政干渉、領土権の主張、歴史認識の問題視など、あまりにも過剰であまりにも執拗だと辟易することもしばしばだが、何年、何十年が経過しても親日でいてくれる国があるのと同様に、いつまでも反日な国が存在しても仕方がないのかも知れない。

事実、それだけひいどことを日本はしてきたし、一部で歴史をねじ曲げて自国の罪まで日本に押し付けている面が無きにしもあらずではあるものの、うるさいとか、しつこいとか、いい加減にしろなどと言えない立場であるのも事実だったりする。

先日、アメリカのオバマ大統領が国際テロ組織アルカイダによって人質にされていたアメリカ人とイタリア人を誤って殺害したと発表し、遺族に謝罪した。

近年のテロ対策や戦争では民間人の犠牲が問題視されているが、第二次大戦ではアメリカ軍による大空襲によって全国で 200以上の都市が被災し、死傷者数は 100万人にも及ぶと言われているし、2発投下された原爆によって 30万人近くの人が犠牲になった。

これが現代であれば世界から非難の的になるようなことであるし、大量虐殺と変わらない事実であるにもかかわらず親米でいるのは日本人がアホなのか、それとも寛大なのか。

嫌なことをいつまでも引きずらない、忘れっぽいのが短所でもあり長所でもある日本人は歴史すら水に流すことができる国民性なのかもしれない。

したがって、いつまでも感謝されると照れくさいし、いつまでも恨まれると鬱陶しい。

いや、消せない記憶があるのは分かっているのだが・・・。