とうとう我が家にも MP3再生可能な機器が導入され、手持ちの CDをすべてデータ変換してメモリに保存した。
今更ではあるが、その利便性の高さにあらためておどろかされるのと同時にデジタルデータ化による恩恵を思う存分に味わってみたりしているところだ。
そうだ、そうなのである。
以前から人が要望していたのはこういうことであり、単に音楽データがデジタル化されただけではなく、そのデータを蓄積して自由に扱えるようになると格段に利便性が向上するというものだ。
まずはダビング。
レコードからカセットテープに録音していた頃は、それなりの大きさの機器が必要であったし、60分間の録音には 60分という同じ時間が必要だった。
CDからカセットテープの場合は機器がコンパクトになったものの、録音時間は同じ。
CDから MDへは 4倍速での録音が限度。
CDから CD-Rへは 24倍速くらいで約 10分間くらいだが、CDのドライブが 2台なければ、まずは CDの内容を記憶して、それを CD-Rに焼くという手順になるため 10分では終わらない。
ところが CDからメモリへのデータコピーは、ものの 3分もあれば終わってしまう。
そして、音質は劣化してしまうものの MP3形式にするとデータ容量が小さくなり、8MB程度のメモリに約 2000曲ほど蓄えることができる。
これからがデジタル機器の特筆すべき点だが、以前から抱いていた欲求が高い確率で満たされるのが嬉しい。
レコード、CDの時代からの願望、それは曲の連続再生だ。
レコードの時代は盤を多量にストックしておけるジュークボックス、CDの時代は複数枚を格納して連続再生が可能 CDチェンジャーというものがあったが、それらの機器には限界があった。
レコードや CDを大量に格納しようとすれば、それに比例して機器も大きくなるが、メモリに蓄積させるのであれば大きさはさして必要ない。
長距離のドライブをしている時、長時間に渡る徹夜マージャンをしている時など、何度も CDを交換するのは面倒だが、約 2000曲も格納されているのであれば 1曲 4分として 130時間以上も交換の必要がないし、メモリ容量を 16GBとかにすれば約 4000曲、260時間、つまりは 10日間以上も聴き続けられる訳だ。
便利なことこの上なく、とっても満足しているので保有していた CDだけでは飽き足らずに中古 CDを買ってきてはせっせとデータ保存していた。
その際、CDの売り場面積が驚くほど縮小されている事実を目の当たりにして愕然とした。
大手のチェーン店で、書籍からテレビゲーム、レンタル、中古販売を含めた CD、DVD、BDなどを扱っているが、新品、中古CDの販売コーナーは当初の 4分の 1程度になってしまい、その陳列棚すらスカスカした感じがする。
数年前から音楽 CDの出荷数が減り始めて歯止めがかからないと言われ、違法コピー、ダウンロード販売の影響が取り沙汰されていたが、そのダウンロード販売も減少傾向をたどり始めたということは、趣味が多様化したことと、お金を出してまで手に入れたい魅力的な楽曲が減少してしまったということだろう。
様々な思いに浸りながら気に入った中古 CDを手に入れてはデータの蓄積にはげんでいたのだが、何度か店に足を運んだ際にやっと気がついた。
レンタルすれば最新のものまですぐに入手でき、購入するよりも圧倒的に割安であると。
何とか時代に追いついた気になっていたが、頭の中は超アナログレコード 33回転のままで、骨董品に近づきつつあるため少々壊れかけているらしい・・・。