夏季休暇に思う

お盆休みだというのにこうやって雑感などを書いたりしている訳で、それはつまり毎度のパターンで特に出かける予定もなく、ただひたすらにダラダラと過ごしているからに他ならず、休みが終わった際に何の思い出も残らないこと請け合いだ。

しかし夏季休暇といえば、どこに行っても混んでいるのが分かっており、たとえ出かけたとしても疲れるだけなのも分かりきっているので観光地など行く気にもならない。

昨年まではまだ故郷というものがあって実家というものも存在したが、ショウコがこちらに移り住んだことによって家も処分してしまったので、もう帰省するということもなくなった。

自分は車の運転をしないので、帰省の際には高速バスを利用していたが、ガーガー寝ていれば勝手に目的地まで運んでくれるという実にありがたい乗り物であり、ずいぶん楽をさせてもらったと思う。

北海道の高速道路など混んでいたとしても驚くほどの大渋滞にはならないが、何十キロも渋滞するような道のりを運転しなければならない人は大変だろう。

若い頃、海水浴の帰りにたった数キロの渋滞にあっただけでうんざりしたのを覚えており、それが延々と何時間も続くなど考えたくもない。

いつも言われることだが、いくら政府が休日の分散化を提唱しても一向に足並みが揃う気配がないのは、やはりそれには少なからず理由があるのだろう。

まずは偉そうに言っている自分だってそうだ。

お客さんありきの仕事をしていると、自分が休めるのはお客さんが休んでいるときである。

相手が仕事をしている時に休んでいては、急にお客さんのパソコンの調子が悪くなるとか、急に何らかのサポートを必要とされても対処することができない。

時代は大きく変化し、どこにいてもネットにさえつながれば様々なことはできるようになった。

事実、パソコンを遠隔操作できるようにしてからは、急なトラブルの際にも現地に行かず、家のパソコンから相手のパソコンを操作して問題を解決することが多くなっている。

その作業は使いにくさはあるものの、タブレットやスマートフォンからでもできるので、ソフト的なことであれば例え札幌にいようと大阪にいようと何とかなるという時代だ。

しかし、やはり現地に行かなければ解決しないトラブルもある。

実は先日の木曜日もお客さんのところに行って作業をしてきた。

社員の全員がアクセスするサーバーと呼ばれるパソコンのハードディスクに物理的な障害が発生し、そのまま使い続けると近い将来、間違いなく故障してしまうという状態になってしまっていたので購入したドライブと交換してきたのである。

こういうハード的なトラブルを解消するのは遠隔操作では不可能だ。

そして、そういうトラブルはいつ発生するか分からない。

したがって、自分が仕事を休めるのは、やはりお客さんが休んでいる時ということになり、時期をずらしてはなかなかゆっくりと休めないのが現実である。

そのような例は世の中に五万とあり、そうやって世の中が回っているのだから休日の分散化は難しいだろう。

そんなこんなで、混み混みの道路を運転しなければならない方々、混み混みの交通機関で移動しなければならないご家族様におかれましては、大変お疲れ様でございますと言っておくことにする。