真性雑感 第十五版

真性雑感 ~目次~

■ ジャーナリズム

以前の独り言に書いた通り、平和ボケしまくっている日本ではその衝撃は大きかったものの、すでに国民の意識や記憶が薄れてしまっている感の否めない IS(Islamic State)による人質殺害だが、テロ集団との戦いは今も続いている。

ISの蛮行によって困窮している人々を取材しようとシリアなどへ渡航しようとするジャーナリストも数多くいる中、新潟に住むフリーカメラマンの男性は外務省にパスポートを返納させられたとして記者会見し、邦人保護か? 報道の自由か? と議論を呼んだのはつい先日のことだ。

個人的には、そんなに行きたかったら勝手に行けば良いと思う。

ただし、たとえ ISに拘束され人質になった場合、救出のための努力は不要、身代金の支払いも不要、ISとの交渉も不要であると一筆したため、完全なる自己責任で海を渡るのだから何があっても放置してもらって結構だという意思表示をしてから行ってほしい。

それは本人のみならず、親兄弟、妻や子供もすべてそれに同意し、全員の署名入り文章を外務省に提出すべきだ。

それでなければ万が一の場合には日本の政治家、外務省職員は行動せねばならず、そうすれば人件費のほか出張費、通信費など莫大な税金を使っての捜索や交渉が必要になってしまう。

前述した文章を提出した上で、もし ISに拘束されたなら舌を噛み切って自害するくらいの気概を持って出国していただきたいものである。

たしかにジャーナリストは、たとえ危険な地域であろうとも実際に行かなければスクープを手にすることはできないだろうし、伝えるべき現場があれば取材したくなるのがジャーナリストの性(さが)であろう。

しかし、渦中の男性は本当にジャーナリズムを持っていたのだろうか。

本当にシリアに渡り、何が何でも ISを取材したかったのであれば、渡航理由には観光だとか、隣国トルコなど安全な地域への取材だと報告し、現地に着いてから秘密裏に行動すれば良い。

この時期にシリアに行くといったところで渡航が許されるわけがなく、旅券法 19条に旅券(パスポート)の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合は返納を命令できると規定されているのだから、パスポートを取り上げられて当然だ。

2月 7日に取り上げられ、翌 8日には記者会見して
「取材と報道の自由どころか、言論の自由を妨げる行為だ」
と吠えまくっていたが、カメラマンは人質事件を巡る新聞のインタビューでシリアに入国する考えを表明した上でシリア渡航を計画したのだからその目的はバレバレで、外務省に返納を命じられるのは至極当然の成り行きだろう。

だとすれば、彼がやったことは単なる売名行為だったのではないだろうか。

最初からシリアに行く気などなく、こうなることが分かっており、そうなったら報道の自由だとか言論の自由だとか騒げばジャーナリストとして名を挙げられると目論んだような気がする。

外務省は前述したような文章を提出すれば行ってもいいよと言ってやれば良い。

それでも行くと言うなら本物のジャーナリストなのだろう。

いや、彼がそうまでして行くとは思えないが。

■ 改憲

改憲は必要か否か。

日本が侵略されていなくても攻撃されていなくても自衛隊の海外派遣を可能にしようと自民党は躍起になっている。

そこにはアメリカの強い意向が見え隠れし、本当に自国を思ってのことなのか。

親日的だったイスラム社会が態度を硬化させたのは自衛隊をイラクに派遣してからのことだというし、周辺諸国がどのように受け止めるのかも多少は気になる。

前述したイスラム教過激派組織 ISが日本人を人質にとり、殺害したのは日本がイラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンを支援したからだという建前だ。

それが ISの本音だとすれば、金銭による支援をしただけで反感を買う危険性を伴うというのに、自衛隊、他国から見ると軍隊にしか見えない組織を派遣した場合、どれだけの反感を買うのかは覚悟しておくべきだろう。