11/11(日)09:53現在

救命ボートに乗り込んで何分が経過しただろう。

すでに本船は海の藻屑と化し、他の乗客の姿も見えない。

相変わらず海は荒れ狂い、どこまでも黒く広がる海原に、大きく白い波が悪魔の爪か猛獣の牙のように襲いかかってくる。

必死になって救命ボートにしがみついていたが、姿勢を崩した瞬間、広大な宇宙をも思わせる海に体が投げ出される。

このままでは命が危ない。

救命ボートに手をかけ、持てるだけの力を出して、よじ登ろうとする。

・・・。

目が覚めると布団から落ちていた ドクロ