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日本のサービス日本のサービス

日本の政治が無策ゆえに官僚が幅を利かせて無駄遣いがなくならず結果的に増税につながり、発送電分離も進まないので世界一高い電気料金を支払い、規制だらけで自由競争することができずに新しい産業も育たず、少子高齢化にも具体策がだせないので労働人口も減り続ける。

企業はそんな日本に居続ける意味を見出せず、海外移転に拍車がかかる。

規制だらけなのと無意味に過保護にしすぎたことで農産業も弱体化が進み、世界と競争できるコスト意識も効率化も生まれていないので品質しか売り物がないが、それも原発事故で安全性が疑問視されて輸出量が激減してしまった。

このままだと日本から世界に売るものがなくなって一方的に輸入するだけになってしまい、ちょっと相手国の機嫌を損ねたら供給がストップされてしまいかねないので、諸外国の顔色を伺いながら弱腰外交を続けなければならなくなるだろう。

今の日本に唯一残されたのはサービス産業である。

日本の接客、おもてなしの心は世界に類を見ないほど優れたもので、顧客満足度を十分に満たすことが可能な世界に誇れるサービスだ。

海外旅行に行った人なら十分に理解できると思うが、日本を出発する際の飛行機、航空会社から違いがはっきりしていて、海外資本の航空機は 15分や 30分の遅れは当たり前、時には数時間の遅れが出ても館内のアナウンスで伝えるだけだ。

飛行機に搭乗すれば中のキャビンアテンダント、いわゆるスチュワーデスも乗客に対する態度が違い、日本の航空会社のようにニコニコしながら親切丁寧に対応などしてくれない。

手荷物を預けたら現地の空港で行方不明になることも日常茶飯事で、見つかっても 「申し訳ありませんでした」 という態度ではなく 「あって良かったね」 というスタンスだ。

中国でも日本のサービスは注目されている。

飲食店で客が来たら 「いらっしゃいませ」 と挨拶し、テーブルまで注文をとりに行ってひざまずくようにして客よりも目線を下げる仕草、間違いのないように注文を復唱する対応、お待たせしましたと料理を運び、グラスの水が減れば注ぎ足し、会計をして店を出る際には 「ありがとうございました」 と感謝されるなどという日本人にとって当たり前のことが中国の文化にはない。

中国どころか世界中を見渡しても客を神様のように扱うサービスなど存在しない。

日本の家電メーカー、ラオックスが中国資本の会社に買収されたが、日本の接客システムが中国に導入されて現地の人を驚かせている。

今までの中国の家電量販店はメーカーごとの展示が主で、冷蔵庫なら冷蔵庫が一箇所に固まっている訳ではないので買おうと思うと店内のアチラコチラを移動しなければならず、比較するのが難しかったし、購入を決定しても対象のカードを別のフロアに一箇所しかない場所まで持って行って清算し、そこで受け取るレシートのようなものを持ってもう一度売り場に行って見せ、やっと商品を渡してもらえるという面倒極まりないシステムだった。

そこに分類別展示、店員による接客、同じフロアのレジで精算すれば品物を持ってきてもらえるという日本では当たり前のシステムを導入しただけで中国人が舞い上がるほど喜んでいるらしい。

東京ディズニーランド(TDL)も最初は海外からサービスまで輸入したが、お客さんを大切にして神様のように扱う日本のサービスをミックスして独自の進化を遂げており、その TDL方式は逆に世界で認められ、日本のサービス、接客が世界標準になりつつある。

そんな TDLには実話なのか都市伝説なのか分からない感動的な逸話がある。

ある女性がスプラッシュ・マウンテンに乗り、楽しさのあまりにはしゃいでいると、母親の形見であった指輪が抜けてしまい、あの巨大な池に落ちてしまった。

彼女はキャスト(従業員)にその旨を伝えたが、その場ではどうしようもなく、もし見つかったときのため連絡先を伝えて帰宅した。

後日、どう考えても見つけるのは困難だと諦めかけていた彼女のもとに TDLから連絡があり、なんと指輪が見つかったと言う。

あれだけ広い池の中から小さな指輪を見つけるためには一度すべての水を抜いてしまうか、従業員が総出で池に入り、足の感覚か手を水に入れて探さなければならなかっただろう。

彼女は驚きつつ、
「どうやって見つけてくださったんですか?」
とたずねた。

するとTDLのキャストは静かに答えた・・・
「ここは夢と魔法の国ですから」