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命がけ命がけ

昨夜の独り言にも書いたが、愛知県で発生していた立てこもり事件で、SAT の隊員が若くして殉職してしまうという悲劇が発生。 彼には一歳に満たないお嬢さんがおられるとのことで、本当に何と申し上げてよいやら。 日本版特殊部隊に身を置くということは、死と隣り合わせの危険な任務につかなければならない状況に至ることであると、本人も覚悟していたであろうが。

それにしても発足以来、奇跡的に死亡者がなかった SAT 部隊隊員が、頭のイカレた元暴力団員の銃弾によって倒れるとは。 それも、防弾チョッキを着用していたにも関わらず、そのわずかな隙間を通って心臓に到達するという不運で殉職してしまったのだから、心の底から悼むしかない。

昨夜のテレ朝に出演していたオッサンは、犯人が不穏な動きをしたら隊員も発砲すべきだったとか、遠距離からライフルで狙撃するなどの手立てもあったはずだなどと好き勝手なことを言っていたが、SAT、機動隊も含めた日本の警察は 『汝(なんじ)殺スナカレ』 の精神のもと、犯人を生け捕りにするのが前提であり、撃たれても撃ってはいけないのである。 テレ朝も、もう少しまともな人を呼べなかったのか。

人質、そして同僚の命を身を犠牲にして守ってくれた SAT 隊員だけではなく、命がけで市民の安全を守ってくれる職業についている人々には心から感謝しなければならないだろう。 交番の警察官、消防士も同様、2004年に発生した新潟中越地震の際に土砂崩れ現場から幼い子供を救出したレスキュー隊もしかりだ。

断続的に余震が起こる中で続けられた救出活動は難航を極め、崩落でゆるんだ土砂がいつ再び崩れ落ちるかもしれない状況の中、危険を顧みずに数時間も救出活動をしてくれた。 助けられた子供の家族だけではなく、血も縁も繋がっていない自分でさえ感謝の念を禁じえなかった。

16日、イラク特措法の期限が 2年間延長されることが衆院で可決されたが、野党は相変わらずギャーギャー騒いでいるだけだ。 自衛隊の海外派遣を非とするならば、パレスチナのゴラン高原に派遣されている自衛隊も違憲行為ということになるだろう。 それを話題にもせず、イラクにばかり議論が及ぶのは参院選を見据えて、目立つ話題に集中させるという魂胆ではないのか。

自衛隊の海外派遣は直接的に日本人を守ってくれている訳ではないが、命がけの任務を遂行しているという点において変わりはない。 国内で大きな災害があった場合、自衛隊は危険な現場にも駆けつけてくれるし、万が一、どこかの狂った奴が日本に向けてミサイルを発射したり、攻めてきた場合は命がけで守ってくれることだろう。

国が保持する組織だけではなく、命がけで仕事をしている人だっている。 パイロットや全ての乗り物の運転士は常に危険と隣り合わせだ。 操縦や運転のミスだけではなく、乗り物の整備状態で事故が起きる場合もあるし、陸路の場合は相手の過失によって事故に巻き込まれることもある。

様々な現場で作業する人も危険だ。 高所の場合だと落下の危険があるだろうし、地下の場合は崩落の危険がある。 機械を扱う人も巻き込まれて手や足を切断したり、命に関わるような重大事故の危険性をはらんでいる。 いや、2005年のJR福知山線事故のように通勤時に大きな事故に巻き込まれる危険性だってあるのだから、安全な職業などないということか。

しかし、自分はどうだろう。 今は在宅なので通勤もしていないし、作業内容といえばパソコンの前に座って指先と、少しばかり脳を動かしている程度だ。 決して命がけの危険な仕事ではない。 男たるもの、こんなことで良いのか!と自問すれど、この歳になって自衛隊に入る訳にもいかず、警察や消防に入るために公務員試験を受けるような頭脳もない。

いや、パソコンの前に座りっぱなしで同じ姿勢のままなので静脈血栓塞栓症、いわゆるエコノミークラス症候群になり、足でできた血栓が脳や心臓に飛んで死に至る危険があるかも知れないので、ものすごく遠い意味では命がけの仕事と言えないこともないような気がする。

そう考えると何となく怖くなってきたので、ちょっと足を動かしたりしてみながら書き終える今日の雑感だったりする。