早いもので、この雑感を書き出してから 6年以上が経過した。 最初の雑感は雪印の件について書いているが、約 6年の時を経て大きなブランドである不二家という名前の傷が深くなっている。 どうやら、あの時の教訓が生かされてないようだ。
結局、雪印は事実上の解体となってしまい、当時のブランド力は見る影もない。 問題が発生し、それを隠蔽する体質が明るみに出ると一瞬にして信頼を失ってしまう怖さがそこにある。 長年の実績があるパロマにしても、三菱自動車にしても同じだ。
松下のように製品の欠陥を公表し、「最後の一台まで探し出す」 と宣言してテレビ、新聞などあらゆるメディアを使って回収を呼びかけ、逆にブランド価値を高める結果となった場合とは大違いである。 ただし、体力的にそこまでの予算を使うことができない会社もある訳だから、全メディアを駆使するまでは望まなくても、事実の公表くらいは速やかにしていただきたいものだ。
それにしても一大ブランドを築き、それが全国に流通するというのは怖いものだ。 これが地元で有名な洋菓子屋さんであれば、たとえ食中毒が発生しても周りの住民が買うのをひかえ、必要なら他の店で商品を購入すれば済む話しだが、全国規模ともなるとそうはいかない。 一箇所の工場で作られたものが広い地域に配送されるので被害が拡大してしまう。
扱う分野こそ異なれど、番組という名の商品 (あるある) の欠陥で、ブランド価値を大きく損ねたフジ系列 (関西テレビ) も状況は同じだ。 番組 (商品) のチェック (品質管理) 体制が整っていなかった点においても類似性が高い。 一気に膿 (ウミ) を出そうとせずに、小出しにするところも共通しているし、それは、パロマや三菱自動車にも通ずる。
以前から言われていることではあるが、人間が携わっている以上は問題が発生するものである。 問題が起こらないようにするに越したことはないが、それよりも重要なのは後の処理である。 松下のようにいち早く公表し、その後の対応に万全を期すれば信頼が損なわれることはない。 自分の仕事もそうだが、事後処理を迅速にすることを心に命じておかなければなるまい。
それにしても思うのだが、最近の日本人は賞味期限とか消費期限とかの情報に頼りすぎなのではないだろうか。 昔は少々古くなった食べ物でも臭いを確認して 「まだいける」 とか 「やめておこう」 とか判断していたものである。 判断を誤って食べてしまっても、お腹をこわすくらいなもので生死に関わる訳ではない。 今のままでは免疫も抵抗力も失われてしまい、少々傷んだものを食べただけで命を落とす人が現れるかもしれない。
自分の場合は、水銀だの発ガン性物質だの、徐々に体内に蓄積されるものの方が怖い。 食べ物に異物が混入しているのは気持悪いが、少し古い材料で作られていようが賞味期限が切れていようが、食べたって死にやしないのだから神経質になりすぎることはないと思っている。
バレンタイン商戦も絶望的でブランドの再構築を急ぐ不二家だが、もし商品が再出荷されたなら、とりあえずは売り上げに協力してあげようかと考えたりしている今日この頃である。
TOMY Eメール 2007年02月04日(日)00時55分 編集・削除
ふと、思ったのですが・・・、
「不二家」もコレをやっておけば、よかったのにネ・・・。
キーワードは、
「情報の公開」「トレーサビリティ」「第三者の視点」の3つ・・。
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