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馬鹿親馬鹿親

久しぶりに怒髪天を衝く 10秒前からのカウントダウンで時間切れとなり、声を荒げて文句を言ってしまった。

12日の水曜日、『お買い物日記』 担当者が患者仲間を見舞うため札幌に行って帰宅が夜になることから、その日の晩御飯は外食で済ませることにした。

外食と言っても約一年ぶりのびっくりドンキーであり、格式張った店ではないので気兼ねなく闘病生活を続けている仲間の話しを聞きながら食事をすることができる。

料理を食べ始めたころ、母親と小学校高学年くらいの男の子が案内されて隣の席に着く。

最初は静かだったので気にも止めずに 『お買い物日記』 担当者と話しをしていたのだが、少しすると母親の携帯電話が鳴った。

【 16分前 】
席を立って話すかと思ったら、そのまま電話に出て話し始めた。

【 14分前 】
ということは、すぐに用件が終わって電話を切るのだろうと思っていたのだが、会話が終わらないどころかどんどん盛り上がってきて声まで大きくなってくる。

【 10分前 】
くだらない会話に腹を立てつつも 『お買い物日記』 担当者の話しを聞いたり、その日は自分も検診の日だったので結果を伝えたりしていたが、母親の声が耳障りで仕方がない。

【 08分前 】
隣の席に料理が運ばれてきたので通話も終わるだろうと思ったが、一向に会話が途切れる気配がなく、男の子が一人で食べ始める。

【 05分前 】
男の子が中学、高校となり、食事中もケータイやスマホを手放さず、家族の会話もないままメールなどをするようになったとしても、この母親には叱る資格などないと思ったりしながらもダラダラと終わらない会話への怒りが腹の底からブクブクと沸き上がってくるのを抑えることができない。

【 02分前 】
こともあろうか、母親は片手に電話を持ち、肘をついたまま目の前の料理を食べ始めたので、そんな姿を見せつけられている子供が可哀想に思えてきた。

【 53秒前 】
いよいよ会話が締めに入ったようなので、食事中の長電話も終わるだろう。

【 41秒前 】
先方が何かを言ったのか、終わりかけた会話が再び続く。

【 23秒前 】
また会話の締めに入ったので今度こそ終わるか。

【 10秒前 】
今度は母親の方が何かを言い、再び話しが続く。

【 03秒前 】
イライラしながら母親を睨んでいると、視線に気づいたのかチラッとこちらを見たが、すました顔をして横を向いた。

【 0・・・ 】
ついに我慢の限界に達し、
「うるせーぞ、こらぁ!」
と怒鳴ってしまった。

子供は肩をビクッとさせてこちらを見たが、母親は聞こえたのか聞こえないのかツラっとした顔で話し続けている。

あまりの腹立たしさに席を立って文句を言おうと思ったが、『お買い物日記』 担当者が必死に制するので深呼吸して怒りをおさえようとしたものの、血は沸騰したまま、またすぐに爆発しそうな気配だったので、すぐに店を出て自分の視界から馬鹿親の姿を消した。

あんな母親に育てられている息子の将来を思うと悪い意味で笑いが止まらないが、そんな馬鹿親を反面教師として立派に育ってほしいと願わずにもいられない。

そして、必要以上に大きな声で電話している客に店側も注意すべきだろう。

たぶん少し格調高い店では馬鹿親だって電話を遠慮すると思われるので、その店がナメられているのに他ならないのだから。