政治が腐敗して実行力も政策立案能力も衰え、改革の意志も見えなくなった自民党が下野したのは当然のことであり、民主党への政権交代は起こるべくして起こったものであろうが、国民の期待とは裏腹に公約として掲げたものの中で、その原型を崩さず確実に実行、実現されたものはひとつもない。
沖縄米軍基地問題もしかり、高速道路無料化、子ども手当も中途半端に進みつつあって、何だかよく方向性が見えなくなってしまっている。
高速道路の無料化などは財源をどうするのか、民営化された道路公団は何を収入源とすべきなのかなどの問題も多く、実現できるはずがないというのが自民党を始め、マスコミや多くの国民がいだく感情だったが、
「い~や、できる」
と大見得を切って分厚い資料まで作成し、
「ほ~ら、こうすれば可能だ」
と言い切ったのは民主党だが今はすっかりトーンダウンしている。
子ども手当も財源が問題視され、実現困難との見方が大勢を占めたが、
「い~や、できる」
と言い張っていたのは民主党だ。
当初から給食費の不払いなどが社会問題化しつつあるのだから、高校の授業料無償化をするくらいなら金を国民にばらまくのではなく、小学校、中学校も給食費、授業料を無償化し、保育園、幼稚園の無料化も進めた方がマシだろうという見方もあった。
家庭に金を支給したところで給食費を払わない馬鹿は間違いなくいるだろうし、子供の生活や学習環境が豊かにならずギャンブルや飲食費に消える家庭も多いだろう。
それだったら間接的な支援に国費を回し、保育制度を充実させて待機児童の数を減らすとか学童保育まで充実、さらに低価格化や無料化を実現すべきだろうと思う。
そいう意見に耳を貸さず、何が何でも金を支給する方向で進んでいたはずなのに、ここに来て
「ちょっと全額支給は無理かも」
などと言い出し、先行き不透明になりつつある。
とにかく、大きな花火を打ち上げてみては上空でそれが花開かず、ショボショボのまま落下するという状態が何発も続き、一応は派手に見せている事業仕分けだけは国民の支持を得ているものの、実のところ中身を細かく精査すれば官僚にとって痛くも痒くもない部分だけが切り落とされて核となる部分は温存状態にあるというごまかし、イリュージョンショーを見せられているだけだ。
こんなことで支持率など上がるはずもなく、下降線の一途を辿るのは当たり前のことだが、これからも挽回のチャンスは何度もあると思われるのでこんなことでは政治不信になったりしない。
鳩山由紀夫、小沢一郎の両氏とも政治資金にまつわる巨額の不明瞭会計が問題視されているが、そんなことは今に始まったことではなく、自民党時代から何度も見せられてきたドタバタ劇であるし、今さらどうでもいいことだと思うので不信の原因にはならない。
マスコミや野党は小沢氏に対して説明責任を果たせと詰め寄るが、記者会見や国会の証人喚問をしたところで警察に話したこと以上のことを言うはずもなく、聞くだけ無駄だし時間と経費の無駄でもある。
政治家なんぞまともな神経や金銭感覚で務まるものではないだろうから、たとえ個人が何をしても国民のための仕事をして結果を出せば文句はない。
ここにきて政治への興味も関心も急速に薄れつつあるのは、この夏の参院選に向けた候補者の擁立に大きな原因がある。
何を考えているのか、いわゆる著名人、タレントとか元スポーツ選手の名が多数あがっている。
■ 民主党
長塚智広 (競輪選手)
岡部まり (タレント)
池谷幸雄 (体操選手)
岡崎友紀 (女優)
桂きん枝 (落語家)
庄野真代 (歌手)
谷 亮子 (柔道)
原田大二郎 (俳優)
■ 自民党
石井浩郎 (元プロ野球選手)
田島みわ (元女優(麻生真宮子))
堀内恒夫 (元プロ野球選手)
三原じゅん子 (女優)
■ 国民新党
西村 修 (プロレスラー)
敏いとう (歌手)
■ たちあがれ日本
中畑 清 (元プロ野球選手)
「国民を愚弄するのもいい加減にしろ!」
と声を最大ボリュームにして言ってやりたい。
今まではせっかくの休日なのだから遊びたいとか、ダラダラしていたいという気持ちを抑えて投票してきたが、こんな不真面目な選挙の投票などしたくはない。
こんな奴らへの報酬やら国会運営費、政党交付金に充てられる税金など払いたくもない。
こんな日本に住んでいたくもない。
今日現在までは頭の悪いことをしていない渡辺喜美氏のみんなの党か、地方自治体の首長らが結成した日本創新党にでも頑張ってもらい、国会を乗っとっていただきたいものである。