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物の価値物の価値

かなり以前の雑感にも価値観について書いたが、また同じようなことを考える機会があった。 やはり物の価値というのは主観的な要素で大きく変動するものであり、それが高いか安いかは人によって大きく感じ方が異なるものだ。

何度も書いているように、自分はモスバーガーが好物であるが、マクドナルドと比較して売られている金額は高い。 しかし、それでもモスバーガーを選択するのは食後の満足感がマクドナルドより遥かに勝るからである。 味が好みではない人にとっては高い金額を払う価値などないだろうが、自分にとっては価値のある味だと思っているので、マクドナルドがデフレ期に 58円だの 100円だので販売していた時期も頑固にモスバーガーを食べ続けていた。

逆に安いものに価値を見出して結果的に得をする場合もある。 マグロのトロは赤身に比べて何倍も何十倍も高価だが、自分は健康上の理由から油を避ける生活を続けているので、高い金額を支払ってまでトロを購入する必要性がない。 また、一切れや二切れ程度を食するのなら良いかも知れないが、あんな油まみれの身を何枚も食べたいとも思わない。

それは肉類にも言えることで、霜降りも見事なフィレ肉などは食べても胸焼けするだけであるし、上と同じ理由で食べるのも避けているので、自分にとっては価値のないものである。 どうしても肉が食べたいときは鶏肉か、赤身の部分で十分だ。 大好物なのに高くて食べられないのなら我が身が哀れだが、食べたくもないものがどんなに高価であっても何の問題もない。

つい先日、『納得!買っとく?メモっとく』 にも掲載していたデジタルカメラを購入した。 安く買ったとは言え、それはモスバーガーが 100個も買える金額だった。 旅に出る訳でもなく、写真が趣味な訳でもなく、さらに必要に迫られていた訳でもないのに、高い買い物をしたという感覚はない。 機能的にも性能的にも十分で、絶対的必要性はなかったものの、十分な満足感が得られたからである。

最近は購入する頻度も費やす時間も減ってしまったが、自分がかつて業界に身を置いていたテレビゲームなどは、その価値が大きく問われるものだった。 そもそもゲームに興味のない人にとっては、本体に数万円も支払い、ソフトに数千円も金をかけること自体が価値のないことだろう。 ところがゲームに興味があったり、それが好きな人にとっては、その金額に値するものなのである。

ただし、ソフトには当たり外れがあり、たとえば 5,000円だとしても、それだけの価値があるものと 「金を返せ!」 と言いたくなるものが存在する。 しかし、それとて個人差があり、仮に自分が楽しめなかったゲームにも十分に満足する人だっているかもしれないので、それが高価か否かは主観によって判断される側面が圧倒的だったりする。

人それぞれ、自分にとって価値があるものに対して、それ相当の対価を支払えば十分なのではないかと思ったりしている今日この頃である。