自分解体新書 - 22 -

自分解体新書 ~目次~

■ まつ毛 その6

また白いまつ毛が生えてきた。

いや、生えてきたという表現は正確ではないだろう。

左目か右目のどちらかには、もう白いまつ毛は常に生えているようになってしまった。

幸いにしてどちらも一本ずつしかないが、少しずつ本数が増え、まつ毛すべてが白くなってしまったら目の前がまぶしくて仕方ないことになりはしないかと少し不安に感じたりしている。

■ 指 その2

右手の人差し指と中指に異変が起こっている。

第一、第二関節くらいまでの皮膚が硬くなり、表面がボコボコしてきた。

何かに負けたか荒れているのかと思っていたのだが、いつまで経っても治る気配がなく、放っておいているうちに一年が経過しようとしている。

痛くも痒くもないし、生活に何の支障もきたしていない。

たまに皮がむけてくる程度なので気にもせず、それゆえに病院で診てもらうこともせずに放置しているところだ。

なぜ右手の二本の指だけなのか考えてみたが、思い当たるのはマウス操作くらいである。

一日に 8時間以上パソコンに向かっており、マウスを使うのは 1/3だとしても日に 2.6時間、それが毎日のことなので年に 1000時間程度ということだ。

それだけマウスに手を乗せていれば皮が硬くなったりするのかもしれないと納得しようと思ったりもしてみたが、マウスは他の三本の指でも支えている訳だし手のひらだって触っているので症状が全体に広がっても不思議ではないのに、人差し指と中指だけというのが不思議でならない。

いつか別件で皮膚科に行くことがあれば医者に聞いてみようと思う。

■ 腰 その3

火曜の朝に痛くなった腰は順調に回復し、今はほとんど痛みを感じなくなった。

腰痛持ちではないが、ここのところ頻繁に腰を痛めている。

もうすっかり年寄りになってしまったので、立ち上がる時に
「どっこいしょ」
などという声が出てしまう。

今年になって続いている帰省は母親の体調不良が原因だが、症状はとにかく足腰が痛いというものだ。

超高齢で骨粗しょう症になっており、自分でも気づかぬうちに背骨を何箇所か圧迫骨折し、骨の間隔が変わってしまったため神経系統に異常をきたしているのが痛みの原因ではないかというのが目下のところの見解だが、実のところ真の原因は分かっていない。

歩くのもままならず、長く立っていられないため食事の用意もできない母親の姿を見ると、やはり人間というのは歩けてなんぼ、目が見えても耳が聞こえても歯が丈夫でも内蔵が丈夫でも、そしてボケていなくても歩けなくなったら不自由この上ないものだとつくづく思う。

そんな訳で、可能な限り毎朝の散歩と軽い室内運動は、これから先もなるべくサボることなく長く続けようと思ったりしている。

■ 肌 その4

実は色白だ。

子供の頃から色が白いためひ弱に見られていた。

髪が長かった若かりし頃は、色白なことも手伝って何度も女性に間違われたものである。

実は父親も色白だった。

酒焼けしていたことと内蔵に難があったので顔は浅黒かったが、体はびっくりするほど白い。

自分も歳を重ねるごとに顔や手は色がくすんできているが、体はびっくりするほど白かったりする。

子どもの頃は外で遊びまくっていたのでそれなりに日焼けもしたが、それでも他の子どもよりは白かったし夏が終われば一気に日焼けは消えてしまう。

今も毎日の散歩で顔や腕は日焼けするが、それでも薄っすらと赤くなった肌が白く戻ることを繰り返して少し茶色くなる程度だ。

北海道の夏は短いが、今年はとくに短く、すでに秋の気配がプンプンと漂って濃厚になってきている。

この夏の日焼けもすぐに消えてしまうことだろう。