真性雑感 第十三版

真性雑感 ~目次~

例によってまた何も思いつかぬままこの文書を書き始めている。

数か月に一度あることだが、事前に書きたいと思っていることもなく、パソコンの前に座っても何も思いつかず、ただ時間だけが過ぎていく状態だ。

こんな時は何も考えずに書き始めると途中で何かを思いついたり話題が見つかったりするのだが、今日という今日は本当に頭のなかが真っ白で、今この時点でも何も思いついていない。

ならば時事ネタでも・・・と思ってみても、今週はずっとイスラム国による日本人の人質問題で明け暮れていたのでそれを避けて通る訳にはいかないだろう。

すでに殺害されてしまった湯川氏とそのご家族には心よりお悔やみ申し上げるが、心のどこかに釈然としないものがあるのも事実だ。

海外では湯川さんの死に対する扱いの小ささに対して疑問視する声が上がっているようだが、それは日本のマスコミの取材能力の低さもあり、単なる軍事オタクが民間軍事会社を設立し、武装の真似事をして SNSやブログで自慢し、非合法のルートで現地入りしたということしか伝わってこないからに違いない。

そんな情報しかなければ自業自得だと言われても仕方ないだろうし、身代金の価値はないと罵倒されるのも分かるような気がするが、実際には単なるオタクではなく彼が設立した民間軍事会社には複数の自民党関係者が顧問として名前を連ねているらしいし、その活動はシリアに医薬品を運んだり、その他の生活物資を運んでいたという。

そういう報道が一切なく、表面的なことしか伝えないものだから少なからずあるであろう哀悼の声もほとんど伝わってこない。

それとは対照的に後藤氏に対する報道は美談が多く、まだ生存が確認されていることもあって救出を願い、我がこととしてメッセージを発している。

しかし湯川氏を無視して良いものかという疑問と同じくらいの大きさで、そんな美談ばかり並べ立て、多くの日本人が発する後藤氏を助けたいという切実な思いを感動すら覚えるような伝え方ばかりして良いのかという疑問が頭をもたげる。

拉致された単なる軍事オタクを誰の許可も得ずに勝手に救出しに行って拘束されてしまった間抜けな奴とは誰も言わないし、そういう報道は一切ない。

もし湯浅氏がアホなことをして拉致された単なる軍事オタクであるならば、持っている情報を政府や国に提供せず、組織だって動いているテロリスト集団のイスラム国に単身で乗り込んで救出に向かった後藤氏だって単なる常識知らずな無鉄砲な奴ということになるだろう。

なのに、なぜ、どうして後藤氏だけが美談の主、ヒーローとして扱われ、湯川氏が無視され黙殺されなければならないのか。

勝手なことをした二人のために莫大な税金が使われているのは同じだろう。

この件があまりにも大騒ぎになっているため、菓子につまようじを混入させたり万引きしたりした動画を配信し、逃亡劇まで繰り広げた馬鹿の存在が完全に薄まってしまった。

本人は世間に騒がれること、注目されることを目的の一部としていたので、放置状態になってしまったのはとても残念なことだろうと思われるが、その彼がとても哀れなのは、外部と遮断され、自由の効かない身となった今、自分が世間から忘れ去られているという事実すら知らないであろうという点だ。

その直前に世間を賑わしていたのは 68歳の筧(かけひ)容疑者が犯人とされる青酸化合物による連続殺人事件だが、ここにきて青酸化合物はカプセルに入れて飲ませたなどという供述を始めたらしい。

あれだけマスコミに取り上げられ、各社からインタビューを受けていた筧容疑者も、今はすっかり影を潜め、新聞に数行、テレビニュースで数秒しか扱われていない事実を知らないだろう。

逆に世間の注目が自分から大きく離れたことを安堵しているのは、覚せい剤取締法違反罪などで有罪が確定した CHAGE and ASKAの飛鳥涼氏だと思われる。

ASKA氏に覚せい剤を売った暴力団員が逮捕されたりと、最近になっても多少の動きはあるものの、新聞、テレビの扱いは極めて小さい。

取り巻く報道関係者も激減したことだろうから、ゆっくり心と身体を休め、しっかりと薬抜きしたらどうだろう。

・・・などと、とりとめのないことをつらつらと書いてきたが、やはり何も思いつかない時は頭の中も整理できず、まとまりのないことを書きなぐってしまっただけのように思わないでもない。

が、それはいつものことだったりする。