自分解体新書 - 13 -

自分解体新書 ~目次~

■ 頭皮 その2

頭部の筋も張ったり凝ったりするものらしく、自分のこぶしでゴリゴリすると実に気持ちが良い。

握りこぶしを作って頭に当て、反対の手で押しつけるようにしながらグリグリと動かすと痛いような気持ちが良いような微妙な感覚で、肩や背中を揉んでもらっている時と同じような感じになる。

特に頭蓋骨の骨の継ぎ目あたりが効くように感じるので骨がズレているのではないかと思われ、機会があれば整体院で頭蓋骨矯正でもしてもらおうかと考えているところだ。

そこまでせずとも YouTubeの動画を見ながら矯正すれば良いのかもしれないが。

■ 頬(ほほ)

シミやソバカスのできるお年頃である。

いつの間にか頬の数カ所には薄いシミや濃いシミができているのだが、それは本当にいつの間にかであって、少しずつ濃くなってきたとかいう自覚がない。

自覚がない程度の薄さから加速度的に濃くなったので気づくのが遅れたのかも知れないが、ある日突然、あるはずのないものが急に現れてしまったという感じだ。

一番目立つのは左頬に点々と続くシミだが、実はそれは古傷だったりする。

幼い頃に針金を振り回りながら遊んでいて先が自分の頬の肉をえぐったのであるが、大量に出血するわ、危なく目に入るところだったわで母親は半狂乱の大騒ぎとなり、病院に担ぎ込まれる結果となった。

それでも若い細胞は怪我を物ともせず自然治癒し、顔を近づけてじっくり見なければ分からないほどの傷跡しか残らず、うっすらと皮膚の光沢が違っている程度のものだった。

ところが加齢とともに過去に傷ついた細胞をかばいきれなくなってきたようで、色素の崩壊が始まってシミのように赤黒く変色してしまったものと思われる。

年をとると様々なことが表面化するので、あまりヤンチャはしないことだ。

■ 手

季節要因も多分にあるとは思うが、手や指先がカサカサになってタッチ操作が必要な機器が扱いづらい。

まずは主にゲーム機と化しているスマホの操作だが、タッチしてもなかなか反応してくれない。

特にゲームは細かな操作、微妙な位置合わせ、素早いタッチが必要になるのだが、カサカサの指では反応が鈍かったり無反応だったりするのが困りものだ。

そんな訳で、最近ではいつでも快適な操作ができるよう、手の届く場所にハンドクリームを用意したりしている。

回転寿司のタッチパネルも反応が鈍い。

席についてすぐは腹も減っているので早く注文したいのだが、いくらパネルに触れようと、腹がたってグリグリ押してみようと反応しないことがある。

そんな時は仕方がないので用意されたおしぼりで指先を湿らせてタッチするようにしている。

そして、コンビニのレジでもタッチパネルが反応しない。

最近は電子マネーを活用しており、コンビニの精算でもスマホをかざすだけで決済できるのだが、そこで使用する電子マネーの種類をレジに付いているタッチパネルで選択する必要がある。

そこで何度画面にタッチしようが、触る角度を変えてみようが、指にハ~っと息を吹きかけてみようが反応してくれない。

ところがレジの若い店員さんが軽く触れるだけで機械はすみやかに反応し、何事もなかったように決済が完了するではないか。

そんな状況を目の当たりにし、カッサカサの手をした自分は
「へーへー、そうですか」
と、少しいじけてその場を去ったりしているのである。