となりのお店

管理人の独り言』 に何度か書いているように我が家のとなりは理美容室である。

北海道の場合は土地が広いのと雪との関係から家と家は最低でも 2-3m は離れており、大阪のように壁のペンキはどうやって塗ったのか不思議に思えるほど密接はしておらず、さらにとなりの店は駐車場を確保しているため 10歩ほど歩かなくてはならないが、家に向かって左隣、本当の意味でのお隣さんが店舗兼住居の建物になっている。

入り口はひとつだが、そのドアを開けて右にあるもうひとつの扉が理容、左の扉が美容室になっており、まるで男湯と女湯に別れている銭湯のような雰囲気だ。

理容室を担当するのはお父さんと息子さん、美容室を担当するのはお母さんと娘さんで、親子二代で商売をされており、最初は息子さんと娘さんを夫婦だと思っていたが、それはお兄ちゃんと妹ちゃんが正解で、それぞれが理容と美容を継いだことになる。

お父さんとお母さんは、そろそろリタイアする準備に入ったようで、普段はお兄ちゃんと妹ちゃんに店を任せて買い物に行ったり天気の良い日は庭の手入れをしたりしているようだ。

こんな田舎町の繁華街からはずれた立地だが店は繁盛しているようで、駐車場にはいつも車が停まっており、お客さんが多くなってくると親子そろって店に立つ。

それ以外にもお客さんによって担当が決まっている場合もあるらしく、古くからのお馴染みさんでお年を召された人はお母さん、お父さんが髪を切り、ある程度年齢が若い人はお兄ちゃんと妹ちゃんの担当になる。

自分の担当はお兄ちゃんなので、ギリギリながら若者組みに入れてもらえたようだ。

以前にも独り言に書いたが、となりの店の仕事はとても丁寧でサービスも素晴らしい。

大阪での散髪は顔剃り、シャンプーを含めて 30分強くらいで終わったが、となりの店はすべて終わるまで 90分以上もかかる。

髪を切るのは丁寧であるもののそれほど時間がかかるわけではないが、シャンプーをすれば頭皮マッサージまでしてくれるし、それが終われば長い時間をかけて肩や首のマッサージもしてくれてそれが実に気持ち良い。

顔剃りが終わればオイルを使ってのクレンジング、その後にパックまでしてくれて男のくせにお肌しっとりの仕上がり状態であり、あまりにも気持ちよくて眠ってしまうこともしばしばだ。

美容室の妹ちゃんは天性の商売人で、パッと明るくて会話にもよどみがなく、そのうえ気遣いもそつがない誰からも好かれるような人柄で、お客さんを惹きつける何かを持っている。

お買い物日記』 担当者は病気の治療の副作用で頭髪が抜けてしまったため美容室に行く必要はなかったが、店がすいている時間に遊びに行って話し込んでくるほど仲良くしてもらっている。

髪が生え始めて今は 『えなりかずき』 くらいの長さになったので、もう少ししたら毛先を揃えてもらいに行けるかも知れない。

妹ちゃんには現在中学生の娘さんがいるのだが、その娘さんが数年後に美容師なることがあるならば、三代そろって店に立つ姿をみることができる。

そうなればコギャルから老婆まで幅広い客層に対応できるハイパー美容室になることだろう。