デジタル化の波 Signal-20

デジタル化の波 ~目次~

スマホの普及率が圧倒的になってきた。

それとともに固定電話の普及(設置)率は大きく下がり、パソコンの普及率は頭打ちから減少傾向となっている。

少し前であれば、公共の書類などに記載するのは固定電話番号と制限され、携帯電話の番号は拒否されたものであるが、今となってはむしろ固定電話を持つ単身世帯は稀だ。

スマホがあればネットも楽に繋がり閲覧も可能なので Webサイトの閲覧も今はスマホからが 70%、タブレットからが 20%、パソコンからは 10%程度という構成になっている。

もちろん、サイトの内容などによって比率は変わるだろうが、Twitter、facebook、Instagramなどの SNSだと 90%以上がスマホやタブレットからだと思われる。

確かにスマホからのネット検索などは便利なことこの上ない。

わざわざ文字入力しなくても音声認識で検索してくれるし、GPS機能で場所を特定できるため、店などは現在地の近くにあるものを優先的に調べてくれる。

以前は『大阪 千里丘 歯医者』 などいうワードで検索していたものが 『歯医者』 と 1ワードで検索すれば自動的に現在地の近くにある歯医者を調べてくれるのだからありがたい。

そんなに便利なものだから、ますます普及するだろうし、手元でいつでもネットが使えるのだからパソコンを持つ必要性も薄れる。

パソコンは大学生の必需品、それがなければ就職活動に大きな支障をきたすという時代もあったが、今はスマホがあれば事足りるのでパソコンまで買う必要がない。

今や日本の学生のパソコン所有率は世界でも最低レベル、それがゆえにパソコンに関するスキルも世界で最低のレベルになってしまっている(Newsweek)。

それは今後ますます必要となるパソコンのスキル、プログラミング能力が低いということで、日本の世界競争力が現在の 8位から低下の一途をたどるのではないかと不安になってしまう。

パソコンが一気に普及して社会の必需品となった 1995年くらいから、スマホが普及する 2010年までの 15年間に社会に出た現在 30~45歳くらいの人たちは、パソコンの使えない上司と部下に囲まれて、さぞかし苦労されているのではないかと思われる。

そのパソコンを使えない上の世代が大量に定年退職するご時世になってきた。

新聞購読を辞めてしまう世帯主の 7割がリタイアした 60代 70代世帯なのだそうだ。

そうなると、パソコンやスマホが使えないため主たる情報源はテレビが圧倒的になってしまうのだろうから、マスコミによって世論を操作することなど簡単なことに違いない。

しかし、これから数年後になれば、テレビの視聴率よりネット閲覧率のほうが遥かに上回る時代が確実にやってくる。

そうなると世論を大きく動かすのはテレビではなくネットということになり、その伝播力のすさまじさから、すべてが萎縮した世の中になってしまわないか心配だ。

今現在もネットで悪評が広がらないよう、神経質にならざるをえない状況になっている。

それはすべての業種に言えることで、接客態度が悪かったりちょっとした落ち度があれば、あっという間にネットで叩かれ、顧客にそっぽを向かれてしまうという危険性をはらんでおり、一瞬たりとも気が抜けない。

個人が発信する情報も、安易な書き込みで個人が特定される場合もあるので気をつけるべきだ。

facebookを除けば多くの場合は匿名でネット住民となっているが、Twitterでもブログでも、たとえば
「昨日、近所に○○という店がオープンしたから行ってみた」
などと書き込めば、その日付と店名、新規オープンなどの情報から店の住所が特定され、そのネット住民は確実にその辺りに住んでいることが分かる。

並行して実名のfacebookなどをやっていて、同じ情報を書き込んでいたりすれば知人に Twitterなどのアカウント名が知られてしまう可能性も低くない。

それらのことを気にすれば、気軽につぶやいたり書き込んだりできなくなってしまう。

しかし、いくらネットの世界でもルールやマナーがあるのだから、一定程度の気を使いながら利用するのは当然か。

マナーと言えば、最近は常識にも変化が起こっているようなので、自分のようなオッサンは特に気をつけなければならないだろう。

少し前に話題となったのは『電話野郎』。

スマホ、LINE世代からすると、携帯電話にいきなり電話してくるのは迷惑千万な行為なのだそうだ。

まずは LINEかメールにて電話しても良いか確認し、了解を得てから電話すべきなのだとか。

・・・。

何のための携帯電話なのだろう。

いつでも、外出中でも電話を受けられるという利便性から生まれたのが携帯電話であり、それが進化したのがスマホな訳で、その根本は携帯性を実現した電話であることに変わりはない。

いつでもどこでも電話できることを前提としているのであれば、なぜ電話して良いかとお伺いを立てなければならないのか。

「ふざけたことをぬかすなっ!」
と、怒鳴ってやりたいオッサンではあるが、それが新常識、現代のマナーなのであれば仕方がない。

ここは素直に従い、若者に電話する時は先に LINEで問い合わせることにしようと思う。

いや、若者に電話することなどないと思われるが・・・。