どうやらクリスマス・イブの投開票は回避されたものの、暮れも押し迫って全国民が浮き足立っている時期の選挙など記憶に残っていないので調べてみると、1983年が 12月 18日で投票率は 67.94%となっており、その前(1980/6/22)の 74.57%から 6.63%も低くなっている。
やはり師走の忙しい時だと投票に行く人も減ってしまうだろうし、特に雪に閉ざされる地方では投票場に行くのすら一苦労という人も少なくないに違いない。
おまけに近年では投票率が低く推移しており、もう自民党には政権を任せておけないと普段は投票しない人まで参加したと言われる前回の総選挙ですら 69.28%でしかなく、今回のように自民もダメ、民主もダメ、第三極もイマイチという白けきった状況では 60%を下回る可能性だってあるだろう。
個人的にはどこが政権をとっても同じなのは官僚支配が行き過ぎているからだと思っており、それを打開することを民主党に期待していたのだが、結局はいいように丸め込まれてしまっているので、官僚機構を破壊する力を持った政党を支持したいと思っているものの、みんなの党は力不足、橋下・石原が率いることになった日本維新の会もまとまりに欠けるとなれば、どこを選べば良いのか分からない。
最終的には投票には行っても白票を投じることになってしまいそうな雰囲気が漂いつつも、日本の将来を考えると官僚支配になってしまっている政治を、この国を変えなければならないとは強く思うので、しっかりと状況を見据えて投票したい。
今にして思えば、色々とドス黒いこともあり、何だかドロドロもしていたが、昔の政治のほうが良かったのではないかという気がする。
小泉純一郎という政治家が残した多くの業績、断行した改革は評価しているが、官僚支配を強めてしまい、官僚をのさばらせるターニング・ポイントとなってしまったのではないだろうか。
官僚を恫喝したことを問題視された鈴木宗男氏が後に受託収賄、あっせん収賄、政治資金規正法違反、議院証言法違反の 4件で有罪となり、国会議員の立場を失うことになったのは官僚にとって好都合だったことだろう。
また、外務省幹部と多くの軋轢を生んだ田中眞紀子氏が大臣職から更迭された件においても官僚たちは溜飲を下げたに違いない。
彼らが正しいとは言わないが、昔の政治家のように官僚をアゴで使える人物が存在しなくなってしまったのが問題の本質であり、その流れを加速させたのが小泉政権であったように思える。
小泉・竹中路線が進めようとした構造改革は中途半端なものに終わってしまい、規制緩和も官僚の抵抗によって進められなかったものを多く残してしまった結果として、経済の立て直しも軌道に乗らなかったように思う。
小泉・竹中が格差社会を生んだと言う評論家も多いが、それは資本主義経済では当然のことであるから政治が原因ではないだろうし、バブル崩壊後、20年以上にも及ぶ経済の停滞が続いているのは規制緩和を推し進めることができなかった結果だ。
つまり、官僚が既得権益を手放そうとせず抵抗したからであり、近年においては小泉・竹中路線で進めた規制緩和策を押し戻し、代表例としてタクシー規制を再度強化するなど逆行現象まで始まっている。
それもこれも官僚をのさばらせ、さまざまな手だれで政治家を利用するすべを与えてしまった小泉政権の罪だったように思えてならない。
この状況を打開してくれるのは、本当に日本維新の会なのか、協力関係にあるみんなの党なのか分からないし、民主党のように政治主導、脱官僚依存を掲げながらも手のひらを返したように言いなりになってしまう可能性も高い。
それを実現するためには官僚に頼らなくても行政執行できるだけの経験と、国会運営するだけの実力がなければいけないが、その力量を持ち合わせている政党はどこなのか。
投票日までの 1カ月間、各党の主張に耳を傾け、本気で日本の将来を憂いていて本気で変革してくれそうな政党はどこで、政治家は誰なのかを吟味しようと思う。