デジタル化の波 ~目次~
デジタルデバイドとはパソコンやインターネットなどの情報技術を使いこなせる人と使いこなせない人の間に生じる待遇や貧富、機会の格差のことで、情報格差とも言われる。
現在は就職活動もデジタルが中心で、ネットが使えなければ採用情報すら得ることができず、企業の情報や評判、仕事内容や職場の雰囲気も計り知ることができない時代になっており、新卒はもちろん転職を希望する人にもパソコンやネットに関する一定の知識が求められる。
最近ではテレビやラジオのプレゼントもネット経由での募集が多くなり、以前のようにハガキでの応募は皆無に近くなってきた。
募集する側も何千通、何万通というハガキが送られてくると、個人情報の保護が厳しく求められる昨今では管理するのも廃棄するのも手間がかかるので、一瞬にして削除可能なデジタルデータが便利だろう。
おまけにクイズに回答して応募するような形式であれば、クセ字、悪筆、乱筆または達筆すぎて解読困難な文字と格闘する必要がなく、答えの当たり外れも容易に分類可能なデジタルデータが好まれるのは当然のことだ。
したがって、これから先もデジタルが中心となってハガキで応募するようなアナログな方法はなくなっていくだろうから、デジタル機器やネットを使えなくては参加資格がないのも同然ということになる。
デジタルテレビの双方向機能を使ってクイズに参加したりプレゼントに応募する番組も少しずつ増えているが、我が母のように新しい機能になど一切の興味がなく単なるテレビとしてしか使っていない人には無縁のこととなってしまう。
ネットを利用して通販で買い物をできる人であれば、どんなに辺ぴな僻地に住んでいようとも欲しい物を手に入れることができるが、それができない人がどうしても欲しい物を手に入れたければ相当な労力と資金を使い、遠くまで行って買い求めなければならない。
もっと身近な話題で言えば、大型店の多くが導入しているポイント制や電子マネーを利用するのもデジタル化の流れに乗らなければ特典を得るのが難しくなっている。
例えばイオングループのデジタルスタンプ、『イオンかざすサービス』 は携帯電話やスマートフォンでネットを利用し、おさいふケータイや電子マネーに関する多少の知識がなければ利用不可能なサービスだ。
このサービスは毎週異なる商品の割引サービスを受けられたり、集めたスタンプを電子マネーであるWAONポイントに交換できたりする。
ただでさえ電子マネーを使うとポイントがたまるのに、スタンプまでポイントに交換でき、対象商品は割安に購入できるという倹約家にとって嬉しい限りのサービスなのだが、それもこれも利用できるのは電子機器を使い、ネット接続してアプリをダウンロードできる人でなければならない。
実に小さなことではあるが、これも立派なデジタルデバイドであり、待遇や機会の格差が生じていることになる。
今は新聞折込チラシではなく、お得な情報をネット配信している店も増えているので、それを閲覧できなければ、いつ、どこで、どのようなセールが行われているのか、何がお買い得なのかという情報すら手に入れることができなくなってきている。
時代はますます進み、変革し、使える人と使えない人の情報格差はこれからも広がっていく一方だと思われる。
年齢とともに新しいものに対する食いつきは悪くなっているものの、まだ少しずつでも新しいものに慣れていっている我が家は、何とか時代に取り残されずについて行けているが、それをいつまで続けられるかに関してはあまり自信がないかも知れない。