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約42年間に渡って独裁していたカダフィ大佐が死亡するというかたちでリビアの社会主義が崩壊し、人民はみずからの手によって自由主義、民主主義を手に入れることになった。

思えば今を生きている我々は、多くの、そして決して小さくない様々な歴史的事実を目撃したことになる。

この世に生を受けても残念なことに短命で終わり、世の中の事象の多くを知らずに他界する人もいる中、歴史教科書に記されるであろう事実に立ち会えたことを、それが例え不幸なことであったにせよ大きな意味があるように思う。

例えば昭和天皇が崩御され、年号が平成に変わったこと一つをとっても、1926年(元年)12月25日から 1989年(64年)1月7日まで約63年間続いた昭和という時代に生まれ、年号が昭和のうちに亡くなった人も大勢いるだろう。

そう考えると天皇陛下が亡くなったときに国はどう動くのか、どのような行事があるのか、新天皇はどのようにして即位されるのか、また、その時に執り行なわれる儀式はどのようなものか、そして、年号はどのようなプロセスで決定され、それがどのように伝えられるのかなど、様々なことを体験し、生き証人として後世に伝えることができる。

天皇が亡くなるというのは悲しい出来事ではあるが、それを機に貨幣に記される年号が変わったり、事務書類の年号が新しいものに変わるため印刷業界が特需に湧いたり、新年号にちなんだ様々な商品が開発されたりして世の中に活気が出るのも紛れもない事実だ。

西暦が 1千年代から 2千年代にへと変わるミレニアムにも立ち会えた。

コンピュータは西暦の下二桁でしか年をカウントしていなかったので、00年になれば 1900年と解釈してしまうことによって様々な障害が発生することが予想され、その影響は人工衛星や軍事関連の機器にまで及び、誤作動によって核ミサイルが発射されるのではないかとか、飛行機の自動操縦が不能になるとか、衛星が地球に落下するのではないかという、ありもしない噂が飛び交い、世の中を大混乱させた 2000年問題も今は昔。

西暦で100年が経過し、20世紀から 21世紀になる瞬間にも立ち会えた。

21世紀には科学技術が飛躍的に発達し、人類は空飛ぶ車に乗って移動したり気軽に宇宙旅行したりしていると昔の人は予想していたようだが、四輪の自動車が排気ガスを撒き散らし、大気を汚しながら移動しているのが現実であり、最近になってやっと電気自動車が量産化されるようになった程度だし、その車が使う電気エネルギーは化石燃料に依存しているのが現状だ。

コストの安い夢のエネルギーのように言われていた原子力は、結局は人類の手におえるものではなく、人間が制御することなど不可能ではないかと思い知らされることとなっている。

その原因となった大地震も何百年に一度しか経験できないことだ。

できれば経験したくはなかったが、今の時代にそれが起きてしまったことも客観的事実として受け止めなければならないだろう。

そして、それにともなう大津波も数百年から千年に一度の規模だった。

これら不幸な出来事も回避できるものならそれに越したことはないが、大昔に起こったことが文献でしか残っていないのと異なり、正確な観測、測定データとして後世に残せるし、それを基に研究が進んで予測精度が向上して将来は的確な情報伝達、避難指示ができるようになることだろう。

話を最初に戻してカダフィ政権の崩壊、それに限らず中東で起こっている様々な民主主義運動が実を結べば、それは歴史的に見て大きすぎるほど重大な出来事だ。

鉄の掟に守られていたかに見えたソビエト連邦の社会主義の崩壊、ベルリンの壁崩壊による東西ドイツの統一も、それを待ち望んで活動していたにも関わらず、残念ながら命がついえてしまった人たちに見せてあげたい歴史の 1ページだった。

約76年周期で地球に接近するハレー彗星も見ることができたし、2003年には 6万年に一度という火星の最接近を経験できた。

昨今のような激変の時代を生きるのは容易なことではないし、辛いこと、苦しいことも数多くあるが、ここで挙げたことだけではなく、まだまだ何百年、何千年、何万年に一度の事象を体現することができている。

それは、他の時代を生きた人たちより多くの経験をできた分だけ幸せだったのかも知れないと思うようにしている。

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