デジタル化の波 ~目次~
デジタル化の波は想像以上の大きさで、想像以上の速度で全世界を飲み込もうとしており、もはや人類はその勢力から逃れることなど不可能になってしまった。
電話の音声信号は携帯にとどまらず、固定電話もすでにデジタル化されており、気づかぬうちに必要のない周波数が削れられた状態の声を聞いたり送ったりしている。
来年の 7月にはテレビもアナログ放送が終了してデジタル化される。
今は地方によって放送内容が異なるテレビ番組もデジタル化によってネットの回線に乗せられる訳だから、大阪ローカルの番組を北海道で観たり、その逆だって理論上は可能な訳である。
それを実現するには高性能なサーバーと太い回線が必要になるなど、それなりの投資が必要になってしまうので予算の少ない地方局には難しいかも知れないが、基地局、中継局を建設するよりは遥かに低コストであるため、いずれはそういう時代となって北海道でもサンテレビが見られる日が来るかも知れない。
ラジオも少しずつデジタル化が進んでおり、ネットラジオの中継も少しずつ進んでいるので北海道でも地方局の放送が聞ける日が来るかも知れない。
以前の独り言に書いたように FM802が聴きたいのだが、現在試験運用されているネットラジオは地域限定でしかないし、実用化に至ったとしても北海道では聴けない可能性が高い。
全国配信するのに何の障害があるのか分からないが、技術的に難しいことではないので是非とも全国から聴けるようにしていただきたいと切に願っている。
テレビにしてもラジオにしても、地方価格で CMを流せば全国で視聴されるのでスポンサーは喜ぶだろうし、公共の電波に乗ることに変わりはないのだからタレントの出演料、音楽や映像の著作権料だって変わらないと思われるので、全国配信に大きな障害あるとは思えないのだが。
そうなれば実質上の縄張りがなくなり、北海道のテレビ局やラジオ局は東京や大阪の番組を相手に視聴率で戦わなければならないのだから辛くなりはするだろう。
しかし、そこで特色を出して生き残りを図ればこそ、今の漫然とした体質から脱却できるのではないだろうか。
今はどのチャンネルを見ても同じようなタレントを起用した同じような番組ばかりなので、見ていてつまらないどころか腹立たしさすら覚えてしまうので、すっかりテレビ離れが進んでしまった。
厳しい戦いを生き残るには強烈な個性だったり専門性を引き出す必要に迫られるため、CS放送のように朝から晩までニュースを放送しているチャンネルとか、映画ばっかり流しているチャンネル、スポーツ、料理、経済に特化したチャンネル、朝から晩まで通販しているチャンネルなど現れるかもしれない。
そうなればますます地方局が不利になりそうだが、北海道であれば日本ハムファイターズの試合や選手の情報しか放送しない番組を全国に向けて放送するとか、北海道の食材を使った料理番組を流すとかの方法もあるだろうし、北海道の品を通販する番組を朝から晩まで放送したって良いだろう。
豊北は東北で関東は関東なりの、関西は関西、九州は九州なりの料理番組だって通販番組だって可能だろう。
第一、日本は縦長の国なので、東京を中心に春が旬の料理を紹介されても北海道じゃまだ鍋をつついている場合だってあるのである。
夏バテ防止の食材とか、暑いときに涼し気な料理とか言われても北海道は必要ないくらい涼しいのである。
また、地元で話題になっている楽曲だとかタレントなどもあることだろうから、それを全国に配信すれば良いだろう。
大阪に暮らしているとき、やはり北海道のことが気になって話題に飢えていたし、北海道に帰ってくれば大阪の今が気になる。
そんな時、その地方に特化したテレビやラジオが簡単に視聴できたらどんなに良いことだろうと思うのだが、そんな需要はないのだろうか。