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犬たちのいる風景 2010年冬の1犬たちのいる風景 2010年冬の1

この町に住み始めて二年、ずいぶん顔なじみの犬が増えた。

ずっと続けている散歩で良く顔をあわせる犬もいれば、近所で飼われている犬もいる。

散歩帰りに会うのは独り言に何度か書いたポメラニアンだが、最初の夏は毛を短く切られ、生まれたての熊ようにも見える何だか犬種の分からない妙な奴だったのだが、今はフサフサの毛をなびかせて歩く立派なポメラニアンとなった。

片足を上げてマーキングした後に、そのまま逆立ちをして進むのは相変わらずで、もうすっかり見慣れた光景となっている。

小さな体で短い足を高速回転させて狭い通りから姿を表し、次の四つ角までたまに逆立ちしながらチョコマカと進み、少し立ち止まって引き返したかと思うと近くの草むらでプリッと糞をして、後ろ足で土を蹴ってあらぬ方向に飛ばして満足気な顔をしつつ帰ろうとする後ろで、お父さんはせっせと糞をひろってビニール袋に入れて持ち帰る。

その距離、たかだか 100メートルくらいなものだと思われるが、体が小さいので散歩の距離としては満足できるのかも知れない。

なかなかタイミングは合わないが、たまにポメラニアンの帰りとすれ違い、すぐ横を通る際には自分より 『お買い物日記』 担当者に興味があるようで、必ず寄ってきては顔を見上げてみたり、前足で触ってきたりするのが可愛らしい。

そのポメラニアンと別れた後、脇道を通って帰路に着くのだが、その細い道にある家のベランダの窓から、いつもヨークシャー・テリアが外を眺めている。

最初の頃はワンワンと吠えられたが、最近は見慣れたのかジーッとこちらを見ているだけだ。

この犬を可愛がっているのは家のご主人なのだが、たまに散歩帰りの姿を見かけると犬は自分で歩かず腕に抱かれて帰宅する。

トコトコ歩いている姿を見かけたこともあるので決して老犬で足腰が弱っているという訳ではなく、単に甘えているものと思われるのだが、飼い主は抱っこを要求されると半分は仕方なく、そして半分は喜んで抱いているのだろう。

以前の雑感にも書いた近所にある美容室の横で飼われている実にボーっとしており、いらぬ心配をさせられた犬は相変わらずボーっとはしているものの、とりあえずは元気そうだ。

以前は顔を見る度に 「ぼふ」 っと吠えられたが、今年になってからなぜだか吠えられなくなった。

いくら吠えて威嚇してもニコニコと手を振っていたので、「ダメだこりゃ」(©いかりや長介) と諦めたか呆れてしまったかしたのかも知れない。

家の人には相変わらず可愛がられており、雪が吹き込まないように犬小屋の前に塀を作ってもらったり、とても寒い日には中に毛布まで敷いてもらっている。

ところが朝の散歩の時に見ると入り口から毛布が蹴り出されていることもあったりするのだが、寝ていて暑く感じるのだろうか。

朝の散歩の第二コースにいる美形な犬も、少しボーっとしているが相変わらず元気そうだ。

ごく稀に会うゴールデンレトリバーや、まるで熊のようにモコモコで大きな犬も元気にしている。

ただ一匹の犬を除いては・・・続く。

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