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蘇れ!<ホンコンやきそば>蘇れ!<ホンコンやきそば>

第三章 再会編第三章 再会編

第二章  激走編からの続き −

めぐりめぐる懐かしの日々・・・。

思えば今までどれだけの数の「ホンコン焼きそば」を食べたのであろう。二人で食す時は 2.2人前と1.8人前の計四人前を一度につくっていた。週に一度は食べていたから一年間で約 240食、三年間で約 720食・・・。好きな時、好きな時間にいつでも購入でき、その味を堪能しつつ貪り食っていた。その時はそれが日常であり、特別なことでも贅沢なことでもなく・・・。もう、あの夢のような日々が蘇ることはないのであろうか。

同僚の出張。

会社の同僚が出張で、以前住んでいた街に行くことになった。禁断症状が限界に達していたため、「ホンコン焼きそば」の購入を依頼する。その出張は三日間だった。もうすぐ口に出来ると思うと期待と興奮で夜もなかなか寝付けず、一日の経過がやけに遅く感じる。今まで、あれほど時間のたつのが遅く感じたことはなかったように思う。はやる心を抑えつつ待ちつづけた三日後、同僚が出張から戻り、出張の成果よりも先に「ホンコン焼きそば」が入手できたかを確認。数ヶ月ぶりにホンコン焼きそばとの対面を果たす。その赤と白を基調としたデザインがやけに眩しく目にしみる。

複雑な心理状態。

定時になった途端に猛ダッシュで帰宅し、着替えもそこそこに「ホンコン焼きそば」の袋を眺め悦に浸ること数十分。頭の中を様々な思い出が駆け巡る。禁断症状が極限に達し、我慢の限界を超えていたはずなのに調理に取り掛かることができない。もう少し、いや、このまま永遠に袋を眺めていたい。それは、自分さえその気になれば、いつでも食べられるという現状に満足し、その状況をいつまでも継続していたいという心理が働いていたのだ。

感動の味!そして失う言葉・・・。

そしてついに調理を開始。フライパンから立ち上る香、一旦は湯に溶け出し再び麺へと戻っていくその色。数ヶ月ぶりに展開されるその光景を非現実的な感覚で受け止めながら、水分の蒸発の遅さにもどかしさを感じつつも手を休めることなく、ただひたすら完成のときを待つ。できあがった「ホンコン焼きそば」を皿に盛り付け、青のりをふりかける。その香に更なる食欲が沸き起こる。そして・・・一口目。指先、脊髄、中枢神経、前頭葉にまで痺れを感じ、無言で目を閉じる。そう、鼻腔の奥に突き刺さるような、香ばしく、そして芳醇な香。涙が出るほどの感動が心と体から溢れ出す。

− 以下 次章<望郷編>へつづく −